レオンス・ヴェルニー

フランソワ・レオンス・ヴェルニー - 日本の近代化の貢献者

フランソワ・レオンス・ヴェルニー（François Léonce Verny、1837年12月2日 - 1908年5月2日）は、フランス出身の技術者として、特に江戸幕府時代の日本の近代化に多大な貢献をした人物です。彼は1865年から1876年にかけて、横須賀造兵廠や海軍施設の建設を指揮し、日本の工業化に寄与しました。時折、彼の名前は「レオン」や「ウエルニー」と誤記されることもあります。

生い立ちと教育

ヴェルニーは1837年、フランスのアルデシュ県オーブナに生まれました。製紙業に従事する父と母のもと、五男の三番目として育ちました。彼は8歳の頃からコレージュに通い、学業に励み、1853年にはリヨンのリセ・アンペリアルに進学しました。学校では特に数学の成績が良かったものの、化学には苦手意識を持っていたようです。1856年にはエコール・ポリテクニークに入学し、1858年に卒業しました。

卒業後、彼は海軍造船工学学校に進み、海軍の技術者としての道を歩み始めます。その後、フランス海軍においてさまざまな造船業務に関わり、海外での任務も経験しました。

日本への派遣

1865年、日本の江戸幕府は近代造兵廠の建設を目指し、フランスの技術者を求めました。この際、ヴェルニーは提督バンジャマン・ジョレスの要請を受けて日本に派遣されることとなりました。横須賀は、海面の条件から造船所の建設に最適な場所として選ばれました。彼は建設計画を立て、予算を組むなどして、横須賀製鉄所の設立に尽力しました。

建設は迅速に進み、彼は約40人のフランス人技術者を統括し、各種施設の建設を指揮しました。さらに、彼は技術者の育成にも力を入れ、日本人技術者の養成学校を設立しました。1867年には、上海で結婚式を挙げ、新たな生活を築きます。

戊辰戦争とその後

1868年に日本で戊辰戦争が勃発すると、情勢は緊迫しましたが、ヴェルニーは事業を継続することを決意しました。彼の尽力により、横須賀製鉄所は無事に運営され、新政府にとって重要な軍事拠点となります。また、彼は灯台の建設にも関与し、観音埼灯台や野島埼灯台などの重要な施設を完成させました。

1876年、長年の活動を経てヴェルニーは日本を離れることになります。彼の帰国後の生活は、海軍の職を退いた後も様々な分野で活躍し、最終的には故郷に帰り、その地で生涯を終えました。

レオンス・ヴェルニーの遺産

日本におけるヴェルニーの功績は今なお重要視されています。横須賀には彼の名前を冠した「ヴェルニー公園」や「ヴェルニー記念館」が設置され、彼の業績を偲ぶイベントが行われています。また、日仏友好の象徴として、彼の存在は歴史の中でも特異な位置を占めています。国交150周年を記念した切手に選ばれるなど、日仏間の友好の象徴としての役割も果たしています。彼の事績は、今後も語り継がれることでしょう。

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