レオンハルト・オイラー望遠鏡

レオンハルト・オイラー望遠鏡

レオンハルト・オイラー望遠鏡は、スイスのジュネーブ天文台によって運用されている、口径1.2メートルの反射望遠鏡です。この望遠鏡は、ヨーロッパ南天天文台が運用するチリのラ・シヤ天文台に位置しており、標高2375メートルの高地で天体観測を行っています。1998年4月12日にファーストライトを迎え、以来、数々の重要な観測成果を上げてきました。望遠鏡の名前は、スイス出身の著名な数学者であるレオンハルト・オイラーにちなんで名付けられました。

主な観測装置

オイラー望遠鏡には、主に以下の3つの観測装置が搭載されています。

1. CORALIE分光器: 系外惑星の観測を目的としたエシェル分光器です。ドップラー分光法を用いて系外惑星を検出します。1998年4月から運用が開始され、南天の太陽系外惑星サーベイ「the Southern Sky extrasolar Planet search Programme」において、メルカトル望遠鏡とともに重要な役割を果たしています。このプロジェクトでは、数多くの系外惑星が発見されており、その中にはグリーゼ86bという木星型惑星も含まれます。

2. EulerCam: 多目的撮像装置であり、天体の精密な測光に用いられます。幅広い観測に対応できる汎用性の高い装置です。

3. ピスコ (Pisco): ピギーバック式で取り付けられた小型望遠鏡です。補助的な観測に利用されています。

CORALIE分光器の詳細

CORALIE分光器は、系外惑星の発見において重要な役割を果たしています。主な特徴は以下の通りです。

ドップラー分光法: この手法を用いて、惑星が恒星に及ぼすわずかな速度変化を検出します。
エシェル分光器: 高い波長分解能を持つため、精密な観測が可能です。
高い波長分解能: 3画素のサンプリングでR=50,000という高い分解能を実現しています。
検出器: 2k x 2kの画素を持つCCDイメージセンサーが使用されており、画素ピッチは15マイクロメートルです。

CORALIEは、スーパーWASPプロジェクトでトランジット法により発見された惑星候補の質量を測定するためにも使用されており、その質量決定において重要な役割を担っています。フランスのオート＝プロヴァンス天文台の1.93メートル望遠鏡に搭載されていたELODIE分光器と類似した性能を持ちます。

観測成果と貢献

オイラー望遠鏡とCORALIE分光器の組み合わせにより、数多くの系外惑星が発見されてきました。これらの発見は、太陽系外惑星の研究を大きく進展させることに貢献しています。特に、南天の系外惑星サーベイにおける貢献は大きく、新たな惑星系の理解を深める上で重要なデータを提供しています。

関連リンク

ESO La Silla 1.2m Leonhard Euler Telescope
Southern Sky extrasolar Planet search Programme
* The CORALIE survey for southern extrasolar planets

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