レガート

レガート：音楽を滑らかにつなぐ奏法

レガート（legato）とは、音楽におけるアーティキュレーション（音の表情付け）のひとつで、連続する複数の音を途切れさせることなく滑らかに演奏する奏法です。楽譜では通常、音符を繋ぐスラーで指示されますが、文字で「legato」と記される場合もあります。特に、イタリア語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語圏ではこの用語が一般的に用いられます。

レガートの演奏上のポイント

レガートを効果的に演奏するには、いくつかの点に注意が必要です。まず、最後の音を少し短く演奏したり、他の音よりも弱く演奏したりすることで、レガートをより強調することができます。また、音の強弱の変化は極力抑え、クレッシェンドやディミヌエンドは全体で1つまでに留めるのが一般的です。

各楽器におけるレガート奏法

擦弦楽器

ヴァイオリンなどの擦弦楽器では、通常、スラーで示された音符を1本の弓で演奏します（弓を返さずに）。ただし、1本の弓では演奏できない長さの場合、弓を返す必要がありますが、その際も、音が途切れないように注意深く演奏する必要があります。

撥弦楽器

フレットのある撥弦楽器（ギター、マンドリンなど）では、ハンマリング・オンやプリング・オフといった奏法を用いてレガートを表現します。フレットレスの楽器では、スライド奏法がよく用いられます。いずれの場合も、チョーキングとは明確に区別されます。

管楽器

管楽器では、スラーで繋がれた音符の間は、通常タンギング（舌で音を出す）を行わずに演奏します。ただし、トロンボーンでは、柔らかなタンギングを用いることもあります。

鍵盤楽器

ピアノなどの鍵盤楽器では、後続の鍵を押さえるのとほぼ同時に、先行の鍵を離すことでレガートを実現します。場合によっては、後続の鍵を押さえてから先行の鍵を離すこともあります。技術的に同時押しが難しい場合は、サステインペダルを使用して音を伸ばす方法が用いられます。

打楽器

打楽器は、その性質上、音を連続的に演奏することが難しいため、本来レガートとは無縁です。しかし、ジャズなどのポピュラー音楽では、シンバルを連続的に演奏する奏法を「シンバルレガート」と呼ぶことがあります。

レガートの表現力

レガートは、単に音を滑らかにつなぐだけでなく、楽曲に表情や深みを与える重要な役割を担います。正確なレガート奏法を習得することで、より豊かな音楽表現が可能になります。 様々な楽器でレガートを習得し、音楽表現の幅を広げましょう。熟練した演奏家は、レガートの微妙なニュアンスを巧みに操り、聴く者の心に響く演奏を実現します。 それぞれの楽器の特徴を理解し、適切なレガート奏法を選択することが重要です。練習を通して、自然で美しいレガートを身につけてください。

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