レキシントン級巡洋戦艦

レキシントン級巡洋[[戦艦]]について

レキシントン級巡洋[[戦艦]]（CC-1 - CC-6）は、アメリカ海軍が1917年から1919年にかけて計画した巡洋[[戦艦]]の一群です。この計画には合計6隻の艦船が予定されていましたが、航空母艦に転用された二隻を除き、完成を見ずに廃棄されました。レキシントン級は、アメリカ海軍の「巡洋[[戦艦]]」としての艦種名を有する唯一の設計でした。

計画と設計経過

最初の設計は1916年に策定されましたが、第一次世界大戦の影響を受けて優先度が低下し、実際の着工は戦後の1920年代にずれ込むことになりました。その間に、設計は数回の変更を経て、最終的には排水量が34,300トン、主砲に35.6cmの砲を10門搭載する計画から、装甲の強化や主砲口径の40.6cmへの変更が加えられました。このため、艦のサイズは大きくなり、航速は多少低下することになりましたが、それでも艦艇の防御力は限られており、初期の巡洋[[戦艦]]と比べてもわずかに勝っている程度のものと考えられます。

レキシントン級は、当初予定した40.6cmの連装砲塔4基からなる強力な火力を備えていましたが、その防御能力は同時代の巡洋艦の武装には耐えられるものの、戦艦や他の巡洋[[戦艦]]と交戦するには不十分でした。この設計思想は、イギリスのカレイジャス級大型軽巡洋艦に近く、戦訓を反映した重装甲巡洋[[戦艦]]という日本やイギリスの考え方とは異なっていました。

推進機関の特徴

レキシントン級の特異な点は、その推進機関にあります。この艦級は蒸気タービンを基盤とし、生成された電力で電動機を駆動し、その動力でスクリューを回転させる「ターボ・エレクトリック方式」を採用していました。当時、この方式を有する艦船としては世界最大の規模になる予定がありました。建造当初の計画には、35ノットの高速を実現するために24基のボイラーが必要とされており、艦の防御甲板の上下にそれぞれ配置される予定でした。また、煙突は当初7本が想定されていましたが、後に技術革新により缶の数は減り、最終的には防御甲板下に16基配置し、煙突は2本となる常識的な形状に収まりました。この高出力の機関設計は、後に航空母艦に転用する際にも非常に有用であると考えられていました。

転用と廃棄

1920年にはやっと建造が開始されましたが、建造直後の1921年にワシントン会議が開催され、主力艦の制限を目指す協定が成立しました。この結果、1922年にはレキシントン級の建造は中止されることとなりました。しかし、ワシントン海軍軍縮条約はこの艦級のうち2隻を航空母艦として利用することを許可しており、レキシントン（USS Lexington）とサラトガ（USS Saratoga）は艦の形態を変えて空母となり、残りの4隻は1923年8月に正式にキャンセルされ、廃棄されました。

同型艦とその運命

1. レキシントン（USS Lexington, CC-1）：1921年に建造が始まり、後に航空母艦CV-2として完成。1942年の珊瑚海海戦で沈没。
2. コンステレーション（USS Constellation, CC-2）：1920年に建造が始まりましたが、1923年にキャンセルされ、廃棄。
3. サラトガ（USS Saratoga, CC-3）：1920年に建造が開始され航空母艦CV-3として完成。太平洋戦争を経て、原爆実験のクロスロード作戦で沈没しました。
4. レンジャー（USS Ranger, CC-4）：1921年に建造が始まりましたが、1923年にキャンセルされ、廃棄。
5. コンスティチューション（USS Constitution, CC-5）：1920年に建造開始、1923年にキャンセル、廃棄。
6. ユナイテッド・ステーツ（USS United States, CC-6）：1920年に建造が開始され、1923年にキャンセル、廃棄されました。

以上がレキシントン級巡洋[[戦艦]]の概要とその歴史です。未完成に終わった艦艇たちがいかにしてアメリカ海軍の艦隊に影響を及ぼしたのか、興味深い事例と言えるでしょう。

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