レキシールー

レキシールー：カナダが生んだサラブレッドの星

レキシールー(Lexie Lou)は、2011年生まれのカナダ産競走馬です。競走馬としてのキャリアは華々しく、カナダ三冠競走の1冠とカナダ牝馬三冠競走の2冠を制覇するなど、類まれな才能を見せつけました。さらに、アメリカ遠征ではハリウッドダービーで、後にエクリプス賞年度代表馬となるカリフォルニアクロームに次ぐ2着と、高い競争力を証明しました。これらの活躍が評価され、2014年にはカナダ競馬界における最高賞であるソヴリン賞の年度代表馬に輝き、2019年にはカナダ競馬名誉の殿堂入りを果たしています。

скромные始まり

レキシールーの誕生は、カナダ・オンタリオ州のパラドックスファームでした。父はハリウッドターフカップステークス勝ち馬のスライゴーベイですが、種牡馬としては大きな成功を収めたとは言えず、母のワンエクセッシヴナイトも初仔3頭が全て未出走という経歴でした。そのため、1歳時のセリでは5,577ドルという低価格で取引され、ジョン・ロス氏によって購入されました。この低い購入価格は、後の彼女の活躍を考えると、実に意外な事実と言えるでしょう。

驚異的な競走馬時代

2歳時は8戦3勝とまずまずの成績でシーズンを終えましたが、3歳になるとその真価を発揮し始めます。30万ドルで売却され、新たなオーナーと調教師の下で、更なる高みを目指します。ウッドバインオークスでは2着馬に4馬身半差をつける圧勝劇で、カナダ牝馬三冠への道を切り開きました。続くクイーンズプレートでカナダ三冠の初戦を制し、芝への初挑戦となったワンダーウェアステークスでも勝利を収め、カナダクラシック競走3勝目を達成しました。しかし、カナディアンステークスでは1番人気ながら10着と大敗を喫するなど、一筋縄ではいかない面も見せました。

その後、北米へと遠征。サンタアニタ競馬場のオータムミスステークスを制覇し、ハリウッドダービーではカリフォルニアクロームの2着に入線しました。このアメリカでの活躍は、彼女の実力を改めて証明する結果となりました。カナダでのクラシック競走での活躍とアメリカでの好成績を評価され、2014年のソヴリン賞では最優秀3歳牝馬、最優秀芝牝馬、そして年度代表馬の三冠を受賞しました。

4歳、5歳時においても、ダート競走に挑戦したり、怪我からの復帰を果たすなど、安定した活躍は出来ませんでしたが、ナッソーステークスやダンススマートリーステークスといった重賞競走で勝利し、その実力を示しました。2016年、5歳で競走馬を引退します。引退時にはソヴリン賞最優秀芝牝馬を受賞しました。

繁殖牝馬としての成功

競走馬引退後は、100万ドルという高額で日本のケイアイファームに購入されました。ロードカナロアとの配合を中心に、繁殖牝馬としてのキャリアを歩み始めます。そして、2018年に産まれた第1仔はフランケル産駒の牝馬でした。注目すべきは2020年産駒のダノンスコーピオンです。ダノンスコーピオンは2023年のNHKマイルカップを制し、レキシールーは母として新たな成功を収めました。

レキシールーの物語は、決して恵まれた環境で育ったわけではない競走馬が、その能力と努力で世界の頂点に上り詰めた、まさにシンデレラストーリーです。低価格で取引された競走馬から、カナダを代表する競走馬、そしてG1馬を輩出した繁殖牝馬へと成長したレキシールーの物語は、競馬関係者だけでなく、多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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