レクサス・LX

レクサス LX：フラッグシップSUVの進化

レクサスLXは、トヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」のフラッグシップSUVです。トヨタの「ランドクルーザー」と密接な関係を持ち、その高いオフロード性能と上質な内外装が特徴です。

概要

初代モデルから3代目の一部までは北米を中心に海外市場専用車でしたが、2015年のマイナーチェンジを機に日本国内でも販売を開始しました。日本では、2代目LXに相当するモデルが「ランドクルーザーシグナス」としてトヨタブランドから販売されていました。

ランドクルーザー譲りの強靭なラダーフレーム構造を持ち、高級SUVでありながらも卓越したオフロード性能を誇ります。エンジンは、2代目・3代目がV型8気筒エンジンを搭載していましたが、4代目ではダウンサイジングされたV型6気筒ターボエンジンが採用されています。

初代「LX450」（1996年-1997年）

1996年、レクサス初のプレミアムSUVとして北米で発売されました。ランドクルーザー80系をベースに、内外装をレクサス専用にアレンジし、上質な仕立てが施されています。

エンジンはランドクルーザー80系と共通の直列6気筒4.5Lエンジンを搭載。トランスミッションは乗用車系の4速ATが採用されました。駆動方式はフルタイムAWDのみで、ビスカスカップリングLSD付きのトランスファーが採用されています。

生産はアラコ（現・トヨタ車体吉原工場）が担当し、レクサス車としては初めて車体メーカーが生産を担当しました。

当時の北米市場では、ランドクルーザーとの差別化が弱く、競合他車に比べて存在感が薄かったものの、現在では希少性から日本への逆輸入車も存在し、一定の人気を博しています。

2代目「LX470」（1998年-2007年）

1998年、ランドクルーザーのモデルチェンジに伴い、LXも2代目へと進化しました。エンジンはレクサスLSにも搭載されたV型8気筒4.7Lエンジンを採用。内外装も大幅に刷新され、レクサスの最高級SUVにふさわしい上質な装備が充実しました。

2002年にはマイナーチェンジを実施し、可変レシオステアリングやナイトビジョンを採用。ATも5速化されました。2006年にもマイナーチェンジを行い、エンジンの出力向上や内外装の変更が施されています。

日本では、「ランドクルーザーシグナス」としてトヨタブランドから販売されましたが、エンブレムやATの種類、塗装色の選択肢などにLXとの違いが見られました。

3代目「LX570」（2007年-2022年）

2007年、3代目「LX570」が登場。V型8気筒5.7L自然吸気エンジンを搭載し、2012年にはレクサスの新デザインアイコンである「スピンドルグリル」が採用されました。

2015年には日本市場への導入が発表され、レクサスSUVラインアップのフラッグシップモデルとして販売を開始。安全装備や快適装備も充実し、レクサスブランドを象徴するモデルとなりました。

2017年には一部改良が施され、2列シート・5人乗り仕様が追加。2018年には特別仕様車「Black Sequence」が登場しました。

4代目「LX600/700h」（2022年- ）

2022年、4代目LXが登場。プラットフォームを一新し、軽量化と高剛性化を実現しました。エンジンは3.5L V6ターボエンジンにダウンサイジングされ、10速ATが組み合わされます。

エクステリアは、フレームレスのスピンドルグリルやL字型のクリアランスランプが特徴的です。インテリアには、レクサス初の指紋認証スタートスイッチが採用されました。

ラインナップは、標準仕様のLX600に加え、4人乗り仕様の"EXECUTIVE"、オフロード性能を高めた"OFFROAD"が設定されました。

2025年には一部改良が施され、歴代初のハイブリッドモデルとなるLX700hが追加されました。また、"OFFROAD"に代わり、よりオフロード性能を高めた"OVERTRAIL+"が設定されました。

レクサスLXは、その長い歴史の中で、常に時代に合わせた進化を遂げてきました。高級SUVとしての快適性と、ランドクルーザー譲りの高いオフロード性能を兼ね備えた、唯一無二の存在です。

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