レズギスタンとは
レズギスタンは、
ロシア連邦の
ダゲスタン共和国南部と
アゼルバイジャン共和国北部に位置する、
レズギ人が居住する地域を指します。この地域は
レズギ語の分布地域でもあり、
レズギ人の文化とアイデンティティが色濃く反映されています。
名称の由来
レズギスタンの名称は、古代にまで遡ることができます。古代ギリシャの歴史家である
ヘロドトス、
ストラボン、大プリニウスらは、カフカス地方のカフカス・アルバニアに住む人々を「レゴイ人」と呼んでいました。その後、9世紀から10世紀にかけての歴史家アル・
マスウーディーは、現在の
ダゲスタン共和国南部に存在したラクズ王国の住民を「ラクザム(レズギン)」と呼びました。この「レズギン」という言葉が、レズギスタンの名前の由来となったと考えられています。
ソ連統治下と独立への動き
ロシア革命以前には、「レズギン」という用語は、現在の
ダゲスタン共和国に居住するすべての民族に対して用いられていました。
1936年、ヨシフ・スターリンの統治下で、
レズギ人の
自治領、すなわち「レズギスタン」という概念が初めて表明されました。しかし、ソ連崩壊後、
アゼルバイジャンと
ロシア領
ダゲスタン共和国に居住する
レズギ人の間で、統一されたレズギスタンを創設しようとする民族回復運動が活発化しました。
1991年12月には、複数の
レズギ人団体が
レズギ人全国会議を開催し、ダゲスタンと
アゼルバイジャンの
レズギ人居住地区を統合した
独立国家の創設を求める宣言を採択しました。主な分離
独立運動団体としては、サドヴァル
独立運動、レズギ民族文化自治連邦、サムールなどが挙げられます。これらの団体は、
レズギ人の民族自決権を主張し、レズギスタンの
独立を目指して活動を展開しています。
関連事項
レズギスタンの歴史と現状は、複雑な民族構成と政治情勢が絡み合っています。今後の動向が注目される地域の一つです。