レズビアン用語

レズビアン用語解説：多様な表現と歴史的背景

この文章では、女性同性愛者（レズビアン）コミュニティにおいて使用される様々な用語を解説します。性的な役割、服装の好み、関係性、アイデンティティなどを表す言葉、そして歴史的な背景や社会的な文脈も踏まえて、より深く理解できるように説明します。

性的役割に関する用語

タチ: 性行為において能動的な役割を担う人を指します。歌舞伎の「立役」に由来する言葉で、外見や振る舞いが男性的なこととは限りません。
ネコ: 性行為において受動的な役割を担う人を指します。
リバ: タチとネコの両方の役割をこなせる、または状況に応じて役割を変えることができる人を指します。相手や状況によって役割が変化します。
バリタチ: 常に能動的な役割を好む人を指します。
バリネコ: 常に受動的な役割を好む人を指します。
〇〇寄りの△△: リバの場合、どちらかの役割に偏っていることを示す表現です。例えば「ネコ寄りリバ」は、ネコの役割を好むリバを指します。
セク: セクシュアリティの略で、自己紹介などで使われます。タチ、ネコ、リバ、またはそれらの組み合わせで回答するのが一般的です。

服装や外見に関する用語

フェム: 女性らしい服装や外見の人を指します。タチ、ネコとは関係なく、フェムタチ、フェムネコといった表現も用いられます。
ボーイッシュ: 男性的な服装や外見の人を指します。これもタチ、ネコとは関係なく、ボーイッシュタチ、ボーイッシュネコといった表現も用いられます。「ボイタチ」「ボイネコ」と略されることもあります。
スカタチ: 能動的な役割を担い、スカートなどを着用するフェミニンな服装を好む人を指します。近年では「フェムタチ」がより一般的に使われています。
ズボネコ: 受動的な役割を担い、ズボンなどを着用するボーイッシュな服装を好む人を指します。近年では「ボイネコ」がより一般的に使われています。

その他の用語

ダイク: 元々はレズビアンを蔑む言葉でしたが、現在では主に欧米で、男っぽい外見のレズビアンを指すことがあります。
ブッチ: 英語圏で使われる言葉で、タチまたはボーイッシュなレズビアンを指します。フェムの対義語として使われることもあります。
ビアン: レズビアンの略語として使われます。「レズ」という言葉への抵抗感から、近年使われるようになった表現です。
セパレイティスト: 男性と関わりを持たずに、女性だけの世界を理想とする人を指します。
主婦レズ: 結婚しているレズビアンを指す言葉で、しばしば侮蔑的な意味合いを含みます。
なんちゃってレズ: 興味本位や一時的なものでレズビアンと称する女性を指す侮蔑的な言葉です。
リップスティック・レズビアン: 化粧をするレズビアンを指す言葉ですが、現在ではあまり使われません。
誘いネコ: 受動的な役割を好むものの、積極的に誘いをかける人を指します。
御神酒徳利: 同じものが2つで1組であることに由来する、古い隠語です。
貝合わせ: 女性の陰唇同士をすり合わせる性行為を指す言葉です。
サッフィズム: レズビアンの別称で、古代ギリシャの詩人サッポーに由来します。
ジャリタチ: 子供っぽいボーイッシュなタチを指し、時にネガティブな意味で使われます。
ダナー、ダナー系: 肉体は女性だが、男性的な気質が強い人を指します。
ダナーズ: ダナーが好きなダナーを指します。
ホモビアン: タチが好きなタチを指します。
フェム×フェム: フェム同士の恋愛関係を指す言葉です。
ポリアモリー: 同時に複数の恋人を持つことを肯定的に捉える考え方です。
モノガミー: 一人の恋人だけを持つことを指します。
ミックス: レズビアンも男性も参加できるバーやイベントを指します。
ライフスタイル・レズビアン: 男性に依存せず、女性と公然と同棲するなど、レズビアンとしてのライフスタイルを積極的に選択する人を指します。
百合: 女性の同性愛を題材とした日本のフィクションジャンルを指します。

歴史的背景

これらの用語は、レズビアンコミュニティの歴史や文化、社会的な状況を反映しています。時代とともに意味や使用頻度が変化する用語も数多く存在します。 言葉の持つニュアンスや背景を理解することで、より深いコミュニケーションが可能になります。また、蔑称として使われてきた言葉も存在することから、言葉を選ぶ際には注意が必要です。

注意点

ここで紹介した用語は、全てが肯定的な意味を持つわけではありません。中には蔑称や侮蔑的な表現も含まれています。これらの言葉を使う際には、その意味や背景を理解し、相手への配慮を心がけることが重要です。

この解説が、レズビアンコミュニティの多様性と複雑さを理解する上で役立つことを願っています。

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