レッスルマニア37

レッスルマニア37：コロナ禍を乗り越え、熱狂の復活祭典

2021年4月10日と11日、フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムは、熱狂の渦に包まれた。WWEが開催する世界最大のプロレスイベント、『レッスルマニア』の第37回大会、レッスルマニア37の開催である。

当初はカリフォルニア州での開催が予定され、「レッスルマニアハリウッド」として期待が高まっていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、開催地はフロリダ州タンパに変更。それでも、レッスルマニア37は、コロナ禍を経て初の有観客試合として、世界中のプロレスファンに大きな希望を与えた。

コロナ禍の影響と会場変更

新型コロナウイルスの影響は、WWEにも大きな打撃を与えた。2020年3月中旬以降、WWEはアリーナ公演を全て中止。ロウやスマックダウンといった番組も、無観客でフロリダ州オーランドのトレーニング施設から放送されるようになった。

レッスルマニア36も無観客で開催されたが、レッスルマニア37は状況が変わりつつあった。フロリダ州では、8月下旬にスポーツイベントの定員制限が撤廃。WWEは、レイモンド・ジェームス・スタジアムでの開催を決定。2日間に渡るイベントには、各日3万人以上の観客が詰めかけ、熱狂的な雰囲気に包まれた。

この観客動員は、アメリカンフットボールのNFLスーパーボウルが同スタジアムで開催された際の実績を参考に計画されたものであったが、それ以上の熱狂が会場を覆い、コロナ禍からの復活を印象付けるイベントとなった。

さらに、この大会からWWEネットワークの米国における独占配信がストリーミングサービスのピーコックに移行。レッスルマニア37は、この新しい契約の下で行われた最初のレッスルマニアとなり、WWEのデジタル戦略における大きな転換点ともなった。

王者たちの激闘とドラマ

レッスルマニア37では、複数のタイトルマッチが開催され、数々の名勝負が繰り広げられた。

RAWブランドでは、前年度のレッスルマニア36でWWE王座を獲得したドリュー・マッキンタイアが、王座奪還を目指し、ボビー・ラシュリーとの激闘を繰り広げた。マッキンタイアは、ミズに王座を奪われるという苦杯を舐めた後、ラシュリーとの対戦に臨み、王座奪還に燃えていた。

スマックダウンブランドでは、エッジがロイヤルランブルで優勝し、ユニバーサル王者のローマン・レインズへの挑戦権を獲得。9年ぶりのレッスルマニア出場となったエッジは、レインズとの壮絶な戦いを繰り広げた。エッジは過去にレインズに敗れており、今回の対戦には、リベンジの意味合いも込められていた。

また、女子ロイヤルランブルで優勝したビアンカ・ブレアは、サーシャ・バンクスに挑戦。スマックダウン女子王座を巡る、白熱した戦いが見られた。

これらのタイトルマッチ以外にも、多くのスター選手がリングに上がり、観客を熱狂の渦へと巻き込んだ。サプライズゲストの登場や、予想外の展開など、見どころ満載の大会となった。

レッスルマニア37：新たな時代への幕開け

レッスルマニア37は、単なるプロレスイベントではなく、コロナ禍からの復活、そしてWWEの新たな時代への幕開けを象徴する大会となった。

観客の熱狂、王者たちの激闘、そして時代の変化。これらの要素が複雑に絡み合い、プロレス史に刻まれる名勝負が数多く生まれた。

ザ・ウィークエンドの「Save Your Tears」がテーマソングとして使用されるなど、エンターテイメント性も高く、多くの人々に感動と興奮を与えたレッスルマニア37は、プロレス界の未来を指し示す、重要な転換点であったと言えるだろう。

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