レディ・アン

レディ・アンは、アニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、OZ総帥トレーズ・クシュリナーダの副官として知られる女性です。声優は紗ゆりが担当し、没後には緒乃冬華がその役を引き継ぎました。

人物像

ゲルマン系の血を引く19歳の女性で、身長161cm、体重47kg。ブラウンの瞳と髪を持ちます。OZの実働部隊を指揮する立場にあり、本編開始時点での階級は二級特佐です。トレーズへの絶対的な忠誠心と愛情を持ち、彼の理想のためには手段を選ばない冷酷さも持ち合わせています。一方で、モビルスーツの操縦技術にも長けており、シェンロンガンダムと互角に渡り合ったこともあります。

過去の経歴は謎に包まれていますが、東ヨーロッパの反連合レジスタンスに「炎のアン」と呼ばれる少女がいたという噂があり、彼女と同一人物ではないかと言われています。連合との戦いでトレーズに救われたことが、彼女が戦う理由となっています。

名前の由来はフランス語の「1（un）」であり、『赤毛のアン』をイメージしたものの、原型から大きくかけ離れたキャラクターとして描かれました。

劇中での活躍

『新機動戦記ガンダムW』では、オペレーション・メテオの実行後、トレーズにとって邪魔な和平論者たちの暗殺を画策し、リリーナの養父ドーリアンを爆殺、ノベンタら閣僚をガンダムに襲撃させるなど、裏工作に奔走します。ガンダム殲滅作戦では、ニューエドワーズ基地を自爆させようとしたり、コロニーへのミサイル攻撃をちらつかせガンダムを恫喝するなど、強硬な姿勢を貫きました。

OZがコロニー掌握に乗り出すと、支配ではなく懐柔が必要と判断し、自ら二重人格となります。眼鏡をかけた冷徹な人格と、素顔の慈愛に満ちた平和主義者の人格を使い分けました。しかし、トレーズがコロニー掌握や自身の出世を望んでいないことを知ると、人格は不安定になります。副官ニコル特尉に唆され囮にされますが、この経験を通してトレーズの理想を理解し、モビルドールの利用に反対する立場を取りました。

ツバロフに撃たれ昏睡状態に陥りますが、トレーズがリーブラの攻撃を受ける直前に意識を取り戻し、ウイングガンダムで彼を救出します。漫画版では、それ以前に意識を取り戻し、トレーズと共にいる姿が描かれています。トレーズの死後、ホワイトファングに世界国家の敗戦を宣言し、ウイングガンダムゼロとガンダムエピオンの決闘を世界に配信することで、戦争の悲惨さを訴えました。

『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』では、政府直轄下の諜報組織「プリベンター」を発足させ、プリベンター・ゴールドとして指揮を執ります。マリーメイア軍の蜂起の際には、ゼクス・マーキスにトールギスIIIを託し、ブリュッセルでの戦いを支援。大統領府に潜入し、元トレーズ派がデキムに利用されていることに憤慨します。ヒイロが大統領府を狙撃した際には、マリーメイアを救出しました。この頃には、二つの人格が統合され、凛々しさと優しさを兼ね備えた女性となっています。

漫画『新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO』では、反乱終結後、マリーメイアを引き取っていましたが、立てこもり事件に巻き込まれてしまいます。

主な搭乗機

OZ-06MS [リーオー]
OZ-06SMS [リーオー]
OZ-12SMS トーラス(OZ所属機）
XXXG-01W ウイングガンダム
* XXXG-01W [ウイングガンダム]

評価

「みんなで選ぶロボットアニメーションベスト100」では、「一番美しい悪役・敵役は？」で第98位にランクインするなど、その美貌と悪役としての魅力が高く評価されています。

レディ・アンは、トレーズへの忠誠心と、二重人格という複雑な側面を持つ、魅力的なキャラクターとして、多くのファンを魅了し続けています。

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