レデントーレ教会

レデントーレ教会の紹介

レデントーレ教会（またはイル・レデントーレ聖堂）は、イタリアの素晴らしい水の都、ヴェネツィアに位置しています。この教会は、ジュデッカ島にあり、カトリックの重要な聖地として多くの訪問者を受け入れています。教会の名前である「レデントーレ」は、イタリア語で「救世主」や「イエス・キリスト」を意味し、その名の通り、教会は神への感謝を込めて建設されました。

建設の背景

レデントーレ教会は、1576年にヴェネツィア共和国を襲ったペストが収束したことを記念して建設されました。1577年に工事が始まり、1599年には完成を見ました。この教会は、当時の共和国の大評議会によって計画され、建築家アンドレーア・パッラーディオがその設計を手がけました。彼は最初、特定の図形に基づいた設計を依頼されましたが、最終的には十字架の形をした独特の造形の教会を創り上げました。

教会は、ジュデッカ運河の際立った場所に建設されたため、パッラーディオのデザインには目を引く要素が盛り込まれています。特に、教会の正面は古代ローマのパンテオンを思わせる美しいデザインで、迫力のある脚座がその特徴です。さらに、教会にはかつて15段の階段が設けられていました。この階段は、エルサレム神殿のものを参考にし、パッラーディオ自身の「昇ることが献身をもたらす」という理念を具現化されたのです。

1577年5月3日、この教会の礎石がヴェネツィアのカトリック総大司教ジョヴァンニ・トレヴィザンによって置かれました。その後、1592年には教会が完成し、ローマ教皇グレゴリウス13世の意向により、カプチン・フランシスコ修道会に所属することになりました。

祭りと伝統

かつては、共和国の首長や大評議会のメンバーが、特設された浮き橋を渡って教会のミサに出席する習慣がありました。その名残として、毎年7月の第3日曜日には「救世主の祭り」が行われ、前夜には壮大な花火が上がります。この祭りでは、レデントーレ教会に向かう行列が浮き橋に並び、ヴェネツィアの文化と伝統の一環として大いに賑わいます。

外観と内部の特徴

レデントーレ教会は、パッラーディオの作品の中でも特に傑作とされており、その外観は白い巨大なドームが特徴です。教会の正面は凱旋門を彷彿とさせるデザインで、低くて大きなペディメントが印象的です。パッラーディオは幾何学的な構成比にこだわっており、教会全体の高さと幅、そして中心部の比率も巧妙に設計されています。

内部は長い身廊が特徴で、多くの巡礼者が訪れるために設計されています。正方形の身廊が求められていましたが、パッラーディオは苦心の末、十字架形にするためにドームへと続く長い身廊の両側に礼拝堂を設けました。内部には連続したコリント式の柱が並び、荘厳さを醸し出しています。

この教会の装飾には、ティントレットやパオロ・ヴェロネーゼなど、数多くの名画家による宗教画が使用されており、その中にはラッザロ・バスティアーニ、アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ、フランチェスコ・ビッソロなどの作品が含まれています。

結論

レデントーレ教会は、ヴェネツィアの文化や歴史を象徴する重要な場所であり、その美しいデザインと歴史的背景から訪れる人々に深い感銘を与えています。教会の壮麗な姿と共に、地域の伝統や祭りを通じて多くの人々に愛され続けています。

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