レナード・シュレイダー

レナード・シュレイダー（1943年11月30日 - 2006年11月2日）は、アメリカ合衆国ミシガン州グランドラピッズ出身の脚本家です。映画監督として知られるポール・シュレイダーは実弟にあたります。

生い立ちと日本との出会い

ドイツ系アメリカ人とオランダ系の厳格なカルヴァン派の家庭で育ち、映画などのポップカルチャーに触れることが禁じられていたシュレイダーは、その反動からか、アイオワ大学の脚本ワークショップで修士号を取得しました。1969年から1973年までの5年間、同志社大学と京都大学で英文学の講師として来日し、その際に日本の義侠の世界に強い関心を抱きます。彼は実在の暴力団にも出入りし、日本のアンダーグラウンド文化を深く研究しました。

脚本家としてのキャリア

帰国後、シュレイダーは弟のポールと共に、東映ヤクザ映画をベースにした『ザ・ヤクザ』（1974年、監督：シドニー・ポラック）の脚本を執筆し、世界的に大きな反響を呼びました。この作品は、クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』（2003年）にも影響を与えたとされています。また、生前に親交があった三島由紀夫にオマージュを捧げた映画『Mishima: A Life In Four Chapters』（1985年）では、弟のポール、妻のチエコと共に共同脚本を担当しました。その他にも、『太陽を盗んだ男』（1979年、監督：長谷川和彦）の原案と脚本、『男はつらいよ 寅次郎春の夢』（1979年、監督：山田洋次）の共同脚本、『ションベン・ライダー』（1983年、監督：相米慎二）の原案を手がけています。

国際的な活躍

1981年には、妻のチエコ・シュレイダーと共同で脚本を執筆したドキュメンタリー『アメリカン・バイオレンス』（日米合作）を発表。この作品の制作を通じて、ニューヨークの実験映画作家デヴィッド・ワイズマンと交流を深め、マヌエル・プイグの小説『蜘蛛女のキス』の脚本を担当することになりました。1985年に公開された映画『蜘蛛女のキス』は、第38回カンヌ国際映画祭の正式出品作品となり、翌年のアカデミー賞脚色賞にノミネートされています。1991年には、自身の脚本と初監督作品である『ネイキッド・タンゴ』を発表しました。

教育者としての活動

近年は、完成されたシナリオにアドバイスを与える「スクリプト・ドクター」としても活躍していました。1996年から1999年まで[南カリフォルニア大学]]映画学科の修士課程で脚本家育成に携わり、1999年から2003年まではチャップマン大学の脚本家養成学科で指導を行いました。2003年以降は、アメリカン・フィルム・インスティチュート]の[[脚本家養成課程及び修士課程を担当しました。

死去

2006年11月2日、心不全により62歳で生涯を閉じました。

主な担当作品

ザ・ヤクザ - The Yakuza (1974) ※原作
男はつらいよ 寅次郎春の夢 (1979) ※共同脚本
太陽を盗んだ男 (1979) ※原案・共同脚本
アメリカン・バイオレンス - The Killing of America (1981) ※共同脚本・共同製作
ションベン・ライダー (1983) ※原案 (監督：相米慎二)
Mishima: A Life In Four Chapters (1985) ※共同脚本
蜘蛛女のキス - Kiss of the Spider Woman (1985) ※脚本
ネイキッド・タンゴ - Naked Tango (1991) ※監督・脚本

外部リンク

レナード・シュレイダー - allcinema
レナード・シュレイダー - KINENOTE
* Leonard Schrader - IMDb（英語）

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