レニングラード級駆逐艦

レニングラード級駆逐艦

レニングラード級駆逐艦は、ソビエト海軍が運用した駆逐艦です。ソ連海軍の計画名では1型駆逐艦（Лидеры эсминцев проекта 1）と呼ばれていました。

概要

本級は、ロシア革命後にソ連で初めて建造された駆逐艦であり、第一次五ヶ年計画の一環として立案された海軍艦艇整備計画に基づいて建造されました。1型駆逐艦は、嚮導艦としての役割を担うことが求められたため、基準排水量2,000トン以上、最大速力40ノットという高い性能を誇りました。これは、従来のフィドニシ級やイジャスラーフ級駆逐艦と比較して、非常に大型で高速、かつ重武装であるという特徴を示していました。運用面では、在来型駆逐艦との連携は想定されておらず、その高速性能を活かして偵察部隊や遊撃部隊に配属されることが計画されました。また、「ミンスク」以降の後期型3隻は、前期型とは別の級として扱われることもあります。

建造

1932年から1940年にかけて、合計6隻が建造されました。しかし、当時のソ連の造船技術力や工業力はまだ発展途上であり、本級の建造は大きな試みでした。その結果、製造不良や欠陥が多発し、建造計画の遅延が頻繁に発生しました。

武装

主砲には、B-13・1936年型13センチ（50口径）単装砲が採用されました。配置は、艦首側に背負い式で2基、艦橋構造物後方と一番煙突の間に1基、そして艦尾側の二番煙突の直後に背負い式で2基、合計5基が搭載されました。

水雷兵器としては、53.3センチ四連装魚雷発射管が、一番煙突と二番煙突の直後にそれぞれ1基ずつ、合計2基装備されました。また、機雷115個または爆雷52個を搭載することも可能でした。

運用

1930年代後半から1950年代まで運用され、冬戦争、レニングラード包囲戦、満州および北方領土侵攻など、数々の戦いに参加しました。第二次世界大戦後には、旧式化と老朽化が進んだため、訓練艦や標的艦に転用され、1960年代までに全艦が沈没または退役しました。

建造艦一覧

レニングラード
ハルキウ
モスクワ
ミンスク
トビリシ
バクー

諸元

基準排水量: 2,039トン
満載排水量: 2,578トン
全長: 127.5メートル
全幅: 11.7メートル
吃水: 4.08メートル
機関: 蒸気タービン2基、ボイラー3基
出力: 66,000馬力
速力: 40ノット
乗員: 250名
兵装: B-13 13cm単装砲5基、53.3cm4連装魚雷発射管2基、機雷115個または爆雷52個

脚注

参考文献

M.J.ホイットレー『第二次大戦駆逐艦総覧』岩重多四郎（訳）、大日本絵画、2000年。ISBN 4-499-22710-0。

関連項目

ソ連・ロシア海軍艦艇一覧

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