レニン・モレノ

レニン・モレノ：エクアドルの政治家

レニン・ボルタイレ・モレノ・ガルセス（Lenín Boltaire Moreno Garcés）は、1953年3月19日生まれのエクアドル人政治家です。彼はラファエル・コレア政権下で第47代副大統領を務め、2017年には大統領に選出され、2021年までその職を務めました。

生い立ちと経歴

モレノはペルー国境に近いヌエボ・ロカフエルテで生まれました。彼の父は教師であり、二言語教育の推進や先住民族の子供たちのための学校整備に尽力しました。モレノの名前は、父が崇拝したウラジーミル・レーニンと母が私淑したヴォルテールに由来します。キトの高校を卒業後、エクアドル中央大学で行政学の学位を取得しました。

民間企業での勤務を経て公職に転じ、観光行政に携わりました。1998年に強盗に銃撃され、以来車椅子を使用しています。この経験から、彼は障害者福祉政策に熱心に取り組みました。

副大統領としての活動

副大統領時代、モレノは障害者福祉に力を入れました。政府の障害者関連予算を大幅に増額し、障害者へのリハビリや技術支援を提供する「マヌエラ・エスペホ連帯作戦」を立ち上げました。この作戦は中南米諸国で広く展開され、彼の功績は国際的に評価されました。2012年にはノーベル平和賞候補にノミネートされています。

大統領としての活動

2017年、モレノは大統領選挙で当選しました。しかし、就任後、彼は前大統領コレアとの路線を転換し、対立を深めました。富裕層や銀行を対象とした重要法案の廃止、大統領の再選制限の復活、そして自身に近い人物を行政や司法に配置するなど、コレアの影響力排除に動きました。

外交政策

外交面では、アメリカとの関係を重視する姿勢に転換しました。アメリカからの軍需品購入や兵士の訓練協力を開始する一方で、ベネズエラが主導する米州ボリバル同盟からの脱退、南米諸国連合本部の閉鎖など、コレア時代の政策を大きく転換しました。また、ウィキリークスのジュリアン・アサンジを在英エクアドル大使館から追放し、イギリス当局に引き渡しました。

新型コロナウイルスへの対応

2020年に世界的に流行した新型コロナウイルス感染症に対し、モレノ政権は外出禁止令を発令し、感染拡大に対処するための資金を捻出するため、大統領や閣僚の給与を削減しました。

大統領退任後

2021年の大統領選挙には出馬せず、自身が推薦する候補は落選しました。

レニン・モレノの政治家としてのキャリアは、障害者福祉への貢献、外交政策の転換、そして国内政治における対立など、様々な側面を持っています。

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