米州ボリバル同盟

米州ボリバル同盟（ALBA）とは

米州ボリバル同盟（Alianza Bolivariana para los Pueblos de Nuestra América、ALBA）は、反米・左派的な立場をとる中南米およびカリブ海の国々によって構成される、政治・経済協力のための国際組織です。結成当初は「米州ボリバル代替統合構想」という名称でした。

スペイン語ではAlianza Bolivariana para los Pueblos de Nuestra Américaと表記され、ALBAと略されます。ALBAはスペイン語で「夜明け」を意味します。英語での名称はBolivarian Alliance for the Americasです。「ボリバル」は、南米諸国の独立運動を主導した英雄、シモン・ボリバルに由来します。

設立の経緯

ALBAは、2004年末にキューバとベネズエラ（当時のチャベス大統領）が中心となり、アメリカ主導の新自由主義的な地域統合構想、米州自由貿易地域（FTAA）に対抗する形で設立されました。「21世紀の社会主義」を原則とし、中南米・カリブ海諸国の相互支援、協力、連帯、社会開発を共同で行うことを目的としています。

その後の動き

設立後、加盟国は増加しましたが、2009年のホンジュラスでのクーデター後、2010年に発足したロボ政権がALBAからの離脱を表明しました。ALBAに加盟する8カ国は、このロボ政権を承認していません。

2009年6月には、機構名を「米州ボリバル同盟」と改称することが決定されました。

2010年には、域内貿易決済のための仮想通貨スクレの導入が決定され、経済的な連携を強化する動きが見られました。

2010年6月24日には、エクアドルのオタパロでALBA首脳会議が開催され、貿易協定や経済協定の具体化、先住民やアフリカ系住民の社会政策への参加促進などが議題となりました。会議には加盟諸国から先住民の代表など300名も参加し、25日には先住民の生活・地位向上、環境に配慮した社会建設などを盛り込んだ最終文書「オタバロ宣言」が採択されました。

現在の参加国

現在のALBA参加国は以下の通りです。

アンティグア・バーブーダ
ボリビア（2019年に一時脱退を表明するも、2020年に復帰）
キューバ
ドミニカ国
グレナダ
ニカラグア
セントクリストファー・ネイビス
セントルシア
セントビンセント・グレナディーン
ベネズエラ

過去にはホンジュラス（2010年脱退）、エクアドル（2018年脱退）も参加していました。

オブザーバーとして、シリア、ハイチ、イランが参加しています。

関連項目

ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体（CELAC）

外部リンク

ALBA公式サイト

ALBAは、反米的な立場から中南米諸国の連携を深め、独自の経済圏を構築しようとする試みとして、国際政治において注目されています。

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