レノ

株式会社レノ：謎多き投資会社の正体

株式会社レノは、東京都渋谷区に本社を置く日本の投資会社です。2000年代後半から、経営破綻した不動産会社の支援に次々と参画し、その特異な動きから「謎の会社」として注目を集めました。当初はマスコミの取材を一切拒否していたことも、その神秘性を高める要因となりました。しかし、2010年代に入ると、大手電機メーカーや金融機関の株式を大量に取得し、大量保有報告書を提出するようになったことで、その存在は広く知られるようになりました。

経営体制と「村上ファンド」との関係

レノの役員には、M&AコンサルティングやMACアセットマネジメントなど、かつて「村上ファンド」と呼ばれたグループ出身者が多数在籍しています。このことから、レノは村上ファンドとの関連性が指摘されています。しかし、実際には不動産企業への融資に関するトラブルが相次ぎ、2010年には役員の赤根豊氏が辞任し、村上ファンド創設者の村上世彰氏と訴訟を起こすなど、内部対立も表面化しています。さらに、2011年頃からは村上氏から100億円規模の資金を借り入れて投資に充てており、2016年にはその資金移動による利息15億円分の申告漏れが発覚し、過小資本税制の適用対象として指摘を受けるなど、資金面での不透明さも指摘されています。

歴史

1986年に設立されたレノは、当初は奥谷禮子氏が経営し、主に健康食品の販売を手掛けていました。その後、2001年に税理士の赤根豊氏が経営を引き継ぎ、現在は福島啓修氏が代表取締役を務めています。現在は主に投資活動を行っており、金融庁には適格機関投資家として届け出を行っています。2008年には、村上氏が赤羽氏、三浦氏らとレノの共同経営について覚書を交わしました。

2009年以降、ダイナシティを皮切りに、フレッグインターナショナル、ジョイント・コーポレーションなど、経営破綻した不動産会社への支援を次々と開始しました。2012年には、インフォレストなどを傘下に持つセブンシーズホールディングス、マウスコンピューターや秀和システムの持ち株会社であるMCJ、JVCケンウッド、SBIホールディングスなど、多くの企業の株式を大量に取得し、大量保有報告書を提出しました。特にSBIホールディングスについては、共同保有分を含めると発行済株式の約6%を保有していることが明らかになり、『文藝春秋』によると、この株式取得には70億円近い費用が投じられたと報じられています。

しかし、2010年12月に赤根氏が役職を辞任した際、保有していた株式の買い取りを村上氏に要求したものの拒否され、赤根氏側が訴訟を起こす事態に発展。また、最高裁で有罪判決を受けた村上氏への反感が根強く、2010年12月にはレノは自社株買いにより村上氏との資本関係を解消しました。さらに、ジョイント・コーポレーションの法律管財人から村上氏との関係を解消するよう求められ、2012年5月にはスポンサーを降板しました。

2013年1月には、PGMホールディングスがアコーディア・ゴルフに対してTOBを仕掛けた際、関連企業とともにアコーディア株を20.02%取得した結果、TOBは不成立に終わりました。

投資対象となった企業

レノは、以下の企業に対して投資を行ってきました。

ダイナシティ
フレッグインターナショナル
ジョイント・コーポレーション
JVCケンウッド
アコーディア・ゴルフ
フェイス
ヨロズ
SBIホールディングス
MCJ
セブンシーズホールディングス
黒田電気
イノテック
新明和工業

関連人物

奥谷禮子
村上世彰

関連項目

大量保有報告書
適格機関投資家
村上ファンド

外部リンク

* 株式会社レノ

株式会社レノは、その謎めいた存在と複雑な内部事情から、日本の金融市場で常に注目を集める企業です。今後の動向が注視されます。

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