レ・フィルム・デュ・ローザンジュ

レ・フィルム・デュ・ロザンジュとは

レ・フィルム・デュ・ロザンジュ（Les Films du Losange）は、フランスを代表する映画製作・配給会社の一つです。1962年、映画監督のエリック・ロメールと、プロデューサーのバーベット・シュローダー（バルベ・シュレデール）によって設立されました。社名はフランス語で「菱形映画社」を意味し、その名の通り、菱形のロゴが特徴です。パリのピエール・プルミエ・ドゥ・セルビ通り22番地に拠点を構えています。

設立の背景と初期の活動

1962年、当時42歳だったロメールと21歳だったシュローダーによって、レ・フィルム・デュ・ロザンジュは誕生しました。ロメールの監督作品『モンソーのパン屋の女の子』が最初の製作作品となり、シュローダーがプロデューサーを務めました。この作品を皮切りに、「六つの教訓話」シリーズの製作が始まりました。1963年には、ジャン＝ダニエル・ポレとフォルカー・シュレンドルフによる中編ドキュメンタリー映画『Méditerranée（地中海）』を製作し、多様な作品を手掛ける姿勢を示しました。

マルガレート・メネゴーズの就任と発展

1975年、マルガレート・メネゴーズが代表に就任し、以降、彼女が中心となって会社を運営しています。メネゴーズは、現在ではシネマテーク・フランセーズ理事会役員やユニフランス代表を務めるなど、フランス映画界の重鎮として知られています。彼女のリーダーシップの下、レ・フィルム・デュ・ロザンジュは、80本を超える作品カタログを誇るまでに成長しました。ロメールのほぼ全作品をはじめ、シュローダー、ロジェ・プランション、ジャック・リヴェットなどの監督作品、さらにミヒャエル・ハネケ、ジャック・ドワイヨン、ジャン＝ポール・シヴェラックといった現代の映画作家の作品も数多く扱っています。

主なフィルモグラフィー

レ・フィルム・デュ・ロザンジュは、以下のような数々の名作を製作・配給してきました。

1962年 - 『モンソーのパン屋の女の子』 (La Boulangère de Monceau) - エリック・ロメール
1963年 - 『Méditerranée（地中海）』 - ジャン＝ダニエル・ポレ、フォルカー・シュレンドルフ
1963年 - 『シュザンヌの生き方』 (La Carrière de Suzanne) - エリック・ロメール
1965年 - 『パリところどころ』 (Paris vu par...) - ジャン＝ダニエル・ポレ、ジャック・ルーシュ、ジャン・ドゥーシェ、エリック・ロメール、ジャン＝リュック・ゴダール、クロード・シャブロル
1969年 - 『モード家の一夜』 (Ma nuit chez Maud) - エリック・ロメール
1969年 - 『モア』 (More) - バーベット・シュローダー
1975年 - 『クレールの膝』 (Le Genou de Claire) - エリック・ロメール
1976年 - 『O侯爵夫人』 (La Marquise d'O...) - エリック・ロメール
1982年 - 『Lettres d'amour en Somalie』 - フレデリック・ミッテラン
1983年 - 『海辺のポーリーヌ』 (Pauline à la plage) - エリック・ロメール
1984年 - 『スワンの恋』 (Un amour de Swann) - フォルカー・シュレンドルフ
1989年 - 『白い婚礼』 (Noce blanche) - ジャン＝クロード・ブリソー
1990年 - 『僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ|僕を愛したふたつの国_ヨーロッパ ヨーロッパ』 (Europa Europa) - アニエスカ・ホランド
1996年 - 『Le Bel Été 1914』 - クリスチャン・ド・シャロンジュ
1998年 - 『葡萄酒色の人生・ロートレック』 (Lautrec) - ロジェ・プランション
1999年 - 『パン・タデウシュ物語』 (Pan Tadeusz) - アンジェイ・ワイダ
2000年 - 『男たちの季節』 (La Saison des hommes) - ムフィーダ・トゥラートリ
2005年 - 『恋は足手まとい』 (Un fil à la patte) - ミシェル・ドヴィル
2006年 - 『L'Étoile du soldat』 - クリストフ・ド・ポンフィーイ


これらの作品は、フランス映画史において重要な位置を占めており、レ・フィルム・デュ・ロザンジュの存在感を際立たせています。

まとめ

レ・フィルム・デュ・ロザンジュは、フランス映画界の歴史と共に歩んできた映画会社です。ヌーヴェルヴァーグの旗手であったロメールと、シュローダーによって設立され、その後もメネゴーズのリーダーシップの下、数多くの名作を世に送り出してきました。その作品群は、フランス映画の多様性と芸術性を象徴するものとして、今もなお多くの映画ファンを魅了しています。

外部リンク

LES FILMS DU LOSANGE | HOME - 公式ウェブサイト（フランス語）/（英語）
* Les Films du Losange - Internet Movie Database （英語）

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