ロザファ城

ロザファ城：アルバニアの歴史を物語る要塞

ロザファ城は、アルバニア北部のシュコドラ市を見下ろす丘の上にそびえ立つ、歴史的な要塞です。その起源は青銅器時代に遡り、数千年にわたって様々な文明の興亡を見守ってきました。

地理と戦略

城は、ボイアナ川、キル川、ドリン川の合流点という戦略的に重要な場所に位置しています。高さ130メートルの丘の上に築かれており、周囲の地形を一望できる要塞として、古来より重要な役割を果たしてきました。

歴史

ロザファ城の歴史は、紀元前9世紀から紀元前8世紀に遡ります。当時、丘は大きな石の壁で囲まれていました。紀元前2世紀には、イリュリア人のアルディエイ部族がこの地を拠点とし、シュコドラの開拓地を支えました。紀元前168年、第三次イリュリア戦争でローマ人に征服され、ゲンツィオ王が捕らえられました。

15世紀には、ヴェネツィア共和国によって大規模な修復と拡張工事が行われました。1474年にはオスマン帝国の包囲を受けましたが、ヴェネツィア守備隊の抵抗により撃退に成功しました。しかし、4年後の1479年、オスマン帝国は再びシュコドラを包囲し、ヴェネツィア軍は最終的に降伏、シュコドラはオスマン帝国の支配下に入りました。

第一次バルカン戦争中、セルビアとモンテネグロの連合軍がオスマン帝国の守備隊を包囲し、6か月の激戦の末、オスマン帝国軍は降伏しました。1939年のイタリアによるアルバニア侵攻の際、城を守備していたアルバニア兵は降伏を拒否し、抵抗を続けました。

構造と特徴

ロザファ城は楕円形の構造を持ち、異なる様式の3つの壁で構成されています。城内には、サント・ステファノ教会の遺跡があります。オスマン帝国がシュコドラを占領した後、教会はモスクに改築されました。鐘楼の一部は破壊されミナレットとなり、後陣はミラブに変わりました。

ロザファ城は、アルバニアの歴史と文化を象徴する重要な史跡です。その戦略的な立地、数々の戦いの舞台となった歴史、そして様々な文化の影響を受けた建築様式は、訪れる人々を魅了し続けています。

もう一度検索