ロシア航空宇宙防衛軍

ロシア航空宇宙防衛軍

ロシア航空宇宙防衛軍（ВДК）は、ロシア連邦軍の一部であり、航空ミサイル防衛や軍事衛星の運用、プレセツク宇宙基地の管理などを行ってきました。この独立した兵科は2011年に編成され、旧ロシア宇宙軍を引き継ぎましたが、2015年にはロシア空軍に統合され、ロシア航空宇宙軍と呼ばれるようになりました。

歴史的背景

この兵科の起源は1967年にまで遡ります。当初、ユーリ・ウォティンツェフ中将の指導の下で対ミサイル軍と対宇宙防衛軍が編成されました。1982年にはこれらが国防省宇宙部隊に再編成され、1991年のソ連崩壊後にロシア連邦軍が設立されました。その後、1992年にロシア宇宙軍が設立され、1996年にはロシア戦略ロケット軍と統合されましたが、2001年には再度編成されました。

2006年、大統領ウラジーミル・プーチンは2016年を目指した「航空及び宇宙防衛構想」を策定しましたが、軍の再構成については明言しませんでした。2010年には、宇宙軍を基盤に一元化される方針が提示され、2011年には宇宙軍が正式に航空宇宙防衛軍として新たに編成されることが決まりました。

初代司令官にはオレグ・オスタペンコが就任し、その後アレクサンドル・ゴロフコが後継となりました。最終的に、2015年にロシア空軍との指揮系統が統合され、ロシア航空宇宙軍に再編成されました。

組織構成

航空宇宙防衛軍は大きく分けて航空宇宙防衛司令部と宇宙司令部で構成されており、タスクに応じた複数の部隊が編成されています。

宇宙司令部

• - 第153 チトフ記念総合宇宙試験管制センター （クラスノズナメンスク）
• - 第820 総合ミサイル攻撃警戒センター （ソルネチノゴルスク）
• - 第821 総合宇宙監視センター （モスクワ州ノギンスク-9）
• - プレセツク宇宙基地
• - 各種レーダー及び観測所

航空及び宇宙防衛司令部

• - 第9ミサイル防衛師団
• - 第4ミサイル防衛旅団
• - 第5ミサイル防衛旅団
• - 第6ミサイル防衛旅団

防衛軍はロシア国内のほか、アゼルバイジャン、カザフスタン、ベラルーシなど独立国家共同体諸国にも早期警戒レーダー基地を展開しています。

主要施設

航空宇宙防衛軍の活動には、ミサイル攻撃早期警戒システムや宇宙監視に対するインフラストラクチャーが含まれています。以下はその一例です。

ミサイル攻撃早期警戒

• - ヴォロネジレーダー
• - ダリャルレーダー
• - Oko：早期警戒衛星

宇宙監視

• - アクノー（タジキスタン）
• - クローナ宇宙物体観測場

ミサイル防衛

• - A-135弾道弾迎撃ミサイルシステム

ロシア航空宇宙防衛軍の役割は非常に重要であり、近代の軍事戦略の中で航空及び宇宙に対する防御能力の確保には欠かせない存在です。このように、航空宇宙防衛軍は伝統的な軍事力だけでなく、未来の軍事技術においても重要な役割を果たしていくことでしょう。

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