ロジャー・アダムス賞

ロジャー・アダムス賞

ロジャー・アダムス賞（The Roger Adams Award）は、有機化学の分野において顕著な貢献を成し遂げた研究者に対して贈られる、権威ある学術賞です。この賞は、アメリカ合衆国の主要な学術団体であるアメリカ化学会（ACS）によって、二年に一度の頻度で授与されています。

この賞は、著名な有機化学者であるロジャー・アダムス博士の功績を記念して創設されました。その設立は1959年に遡り、有機化学研究におけるイノベーションと卓越性を奨励することを目的としています。受賞者には、その輝かしい業績を称えるとともに、副賞として25,000ドルの賞金が贈られます。

ロジャー・アダムス賞は、設立以来、世界中の有機化学分野を牽引してきた数多くの研究者に贈られてきました。歴代受賞者リストは、そのまま現代有機化学史の重要な一頁を物語っていると言えるでしょう。

歴代受賞者

この賞の歴史を彩る受賞者たちは、以下に記すように多岐にわたります。

設立初年度の1959年には、デレック・バートン氏が最初の受賞者となりました。
1960年代には、有機化学の発展に不可欠な貢献をしたロバート・バーンズ・ウッドワード氏（1961年）、Paul Doughty Bartlett氏（1963年）、Arthur C. Cope氏（1965年）、ジョン・D・ロバーツ氏（1967年）、ウラジミール・プレローグ氏（1969年）らが選ばれています。

1970年代には、ハーバート・ブラウン氏（1971年）、ゲオルク・ウィッティヒ氏（1973年）、ロルフ・フーズゲン氏（1975年）、William Summer Johnson氏（1977年）、Melvin Spencer Newman氏（1979年）といった、それぞれの研究分野で革新的な成果を上げた研究者が名を連ねています。

1980年代の受賞者には、Nelson Jordan Leonard氏（1981年）、Alan R. Battersby氏（1983年）、ドナルド・クラム氏（1985年）、Jerome Abraham Berson氏（1987年）、ジョージ・オラー氏（1989年）がいます。彼らの業績は、有機合成化学や立体化学などに大きな影響を与えました。

1990年代に入っても、ギルバート・ストーク氏（1991年）、イライアス・コーリー氏（1993年）、バリー・トロスト氏（1995年）、バリー・シャープレス氏（1997年）、ディーター・ゼーバッハ氏（1999年）といった、不斉合成や全合成といった分野で世界をリードした研究者が続々と受賞しています。

21世紀に入り、日本からは野依良治氏が2001年に受賞しました。この時期の受賞者には、Albert Eschenmoser氏（2003年）、Jerrold Meinwald氏（2005年）、サミュエル・ダニシェフスキー氏（2007年）、Andrew Streitwieser氏（2009年）が含まれます。

2010年代以降も、ロバート・グラブス氏（2011年）、デヴィッド・エヴァンス氏（2013年）、Larry E. Overman氏（2015年）、そして日本から二人目の受賞者となった山本尚氏（2017年）、ステファン・バックワルド氏（2019年）といった、現代有機化学のフロンティアを開拓する研究者たちが選出されています。

比較的最近の受賞者としては、Kendall Houk氏（2021年）、キャロライン・ベルトッツィ氏（2023年）が挙げられます。これらの受賞者リストは、ロジャー・アダムス賞が有機化学分野における最先端の研究成果を継続的に評価し、奨励してきた歴史を如実に示しています。

この賞に関する詳細は、アメリカ化学会有機化学部会の公式サイトなどで確認することができます。

（注：上記リストは提供された情報を元に作成されています。）

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