ロタ島

ロタ島は、北マリアナ諸島に位置する、アメリカ合衆国の自治領の島です。テニアン島の南に位置し、グアム島がさらに南にあります。面積は約85平方キロメートルで、中央部がくびれた特徴的な形をしています。東部は平坦ですが、西部はサバナ高原やタイピンゴット山など、起伏に富んだ地形です。

地理と気候

島の海岸線は約61キロメートルで、最高地点はマニラ山の495メートルです。グアムからは約76キロメートル、テニアンからは約101キロメートル、サイパンからは約117キロメートルの距離にあります。スコールが多いため、サバナ高原には豊富な地下水が蓄えられ、飲料水として利用されています。日本統治時代には、この水を利用して日本酒「南の誉」が醸造されていました。また、太平洋戦争中に米軍の攻撃をあまり受けなかったため、島には原生林が多く残っています。

人口と地域

2000年の国勢調査では3,283人でしたが、2010年には2,527人に減少しました。主な町として、ソンソンとシナパロがあります。

歴史

ロタ島は、1521年にスペイン人によって発見され、その後、ドイツ、そして日本へと支配権が移りました。第一次世界大戦中には、日本軍が占領し、1920年には国際連盟の委任統治領となりました。1930年代には製糖工場が建設されましたが、間もなく操業停止しました。太平洋戦争中には、地上戦は行われず、周辺から孤立した状態に置かれました。

1944年になると守備隊が増強され、海軍2000名、陸軍950名が駐屯しました。同年には、マリアナ沖海戦で被弾した彗星艦上爆撃機が不時着し、パイロットが海軍部隊の指揮官となりました。ロタ島は日本本土空襲に向かうB-29爆撃機の情報を無線で警告する役割を担いました。1945年9月2日、護衛駆逐艦上で局地降伏調印式が行われ、日本軍は9月4日に島を離れました。

戦後はアメリカ合衆国の信託統治領となり、1978年以降は自治領となっています。

対外関係

日本の岐阜県可児市とは、1995年に友好都市提携を結んでいます。

教育

島には北マリアナ大学ロタキャンパスがあります。

交通

ロタ国際空港があり、サイパンやグアムなどの主要な空港と結ばれています。

観光

ロタ島は、その美しい自然と歴史的な遺産で知られています。

主な遺跡

タガストーン遺跡：古代チャモロ族の遺跡で、ラッテ・ストーンの石切り場です。

主な史跡

赤煉瓦造りの製糖工場跡：日本統治時代の名残です。
旧日本軍砲台跡：太平洋戦争時代の遺構です。

観光スポット

千本椰子：アメリカ軍によって植えられたヤシの木が有名です。
ロタ松島：珊瑚礁のラグーンに点在する小島で、日本の松島に似た景観です。
オッゴ滝：ロタ島最大の川の上流にある滝で、淡水魚が生息しています。
サン・フランスシスコ・デ・ボルハ教会：ソンソン村の中心にあるカトリック教会で、戦時中に使われた砲弾が鐘として使われています。
トンガ洞窟：天然の鍾乳洞で、太平洋戦争中は日本軍の野戦病院でした。
ロタ洞窟博物館：洞窟を展示場にした博物館で、ロタの歴史を学ぶことができます。

ビーチ

テテトビーチ：美しい砂浜が広がります。

宿泊施設

ロタリゾート＆カントリークラブ：島唯一のリゾートホテルで、スパやゴルフ場を併設しています。

コーヒー

フォレストコーヒー：2018年に発見されたロタ産のコーヒーです。

ロタ島は、その自然の美しさと歴史的な背景が魅力の島です。ダイビングやマリンスポーツ、歴史探訪など、様々な楽しみ方ができます。

関連人物

ビクター・ホッコック（政治家）
ベンジャミン・マングローナ（政治家）

参考文献

阿部善朗『艦爆隊長の戦訓 体験的／新説太平洋海空戦』光人社、1997年。

関連項目

野口五郎・三井ゆり：ロタ島で挙式を行い、北マリアナ諸島の観光親善大使に任命されました。

外部リンク

ロタ島公式サイト
ロタリゾート＆カントリークラブ
* ダイビングショップ Blue Palms Dive service ROTA

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