ロッキード L-18 ロードスター

ロッキード L-18 ロードスター

ロッキード L-18 ロードスター（Lockheed L-18 Lodestar）は、アメリカ合衆国のロッキード社によって1930年代末期に開発された双発の民間旅客機です。愛称のロードスターは「北極星」を意味しており、そのデザインと性能は多くの航空会社に受け入れられました。

開発経緯

L-18の開発は、1937年に初飛行したロッキード L-14 スーパーエレクトラの成功に続いて行われました。L-14は高性能ではありましたが、同時期のダグラス社のDC-3と比べて高価であったため、販売が振わない状況でした。このため、ロッキード社はL-14の機体を延長し、座席数を増やしてより経済的なモデルを作ることを決意しました。その結果、1939年9月21日に初めての試作機が飛行しました。新造機は1940年2月2日に初飛行を果たし、合計で625機が生産されました。

運用状況

L-18は1940年3月30日に型式証明を取得し、最初の顧客であるミッドコンチネント航空に引き渡されました。乗客数の増加により、運用コストはDC-3に匹敵する水準に改善されましたが、多くの会社がすでにDC-3を導入していたため、販売は伸び悩みました。結果として、アメリカ国内の航空会社への販売は31機に留まり、海外市場ではオランダ領東インド諸島から29機のオーダーがあったものの、全体的には控えめに推移しました。

アメリカ軍は第二次世界大戦の準備のため、L-18の多くを徴用し、C-56、C-57、C-60などの名称で運用しました。このほか、アメリカ海軍でもR5Oという名称で軍事利用され、数多くの用途に応じた機体が開発されました。戦争が終わると多くのロードスターは民間に戻り、1948年の第一次中東戦争ではイスラエル空軍が輸送機として活用しました。1970年代から80年代には、スカイダイビングの会社でも頻繁に使用されました。

機体構成

L-18は主要なモデルとして以下のようなバリエーションが存在しました。

• - モデル18-07: プラット・アンド・ホイットニー ホーネットエンジンを搭載したバージョン。
• - モデル18-08: ツインワスプエンジンを搭載。
• - モデル18-10: 再びツインワスプエンジンを搭載。
• - モデル18-14: さらに強力なツインワスプエンジンを使用。
• - モデル18-40: ライト サイクロンエンジンを搭載。
• - モデル18-50: 別のモデルで、同様にサイクロンエンジンを搭載。

アメリカ陸軍航空隊ではC-56からC-60の型式名が付与され、アメリカ海軍ではR5Oシリーズが運用されました。

様々な運用国

L-18シリーズは多くの国で利用されました。アメリカ国内はもちろん、オーストラリアやブラジル、カナダ、フィンランド、イギリスなど多岐にわたる国々で運用されました。特に南アフリカ航空は21機を導入するなど、海外の運用が盛んでした。軍においても、アメリカの他、オーストラリアやブラジル、ニュージーランドなどでも採用され、時にはVIP輸送機としても活用されました。

ロッキード L-18 ロードスターは、そのユニークなデザインと多様な利用法から、歴史的にも重要な旅客機の一つとして位置付けられています。

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