ロッキード L-14 スーパーエレクトラ

ロッキード L-14 スーパーエレクトラ

ロッキード L-14 スーパーエレクトラは、アメリカの航空機メーカー、ロッキードが1930年代後半に設計したレシプロ双発の民間旅客機です。1937年7月29日に初飛行を果たし、その後114機が製造されました。スーパーエレクトラは同社の前モデル、エレクトラを基にした機体で、速度や貨物搭載能力では高い性能を誇っていましたが、低速時に失速する傾向があり、安定性に問題があったため、離陸時などに事故が発生することもありました。

日本では立川飛行機（後に川崎航空機に移管）によってライセンス生産され、ロ式輸送機や一式貨物輸送機として運用されました。1937年10月にノースウエスト航空で就航し、ニュージーランドやイギリス、日本など多岐にわたる国に輸出されました。日本では大日本航空がこの機体を運用していました。

特に noteworthy な出来事として、ハワード・ヒューズは1938年にスーパーエレクトラを操縦して91時間で世界一周飛行を達成し、この飛行は当時の最速記録となりました。また、帝国大学航空研究所はロ式輸送機を基に、高高度実験機であるロ式B型を開発しました。

その性能において、同クラスのダグラス DC-2を全般的に上回ってはいたのですが、経済性においてはダグラス DC-3には及ばず、市場への投入も遅れをとったため、海外市場では日本向けおよび長距離路線に限られていました。アメリカ国内ではノースウエスト航空以外の航空会社ではわずか3機しか使われておらず、急速にDC-3に移行されました。ノースウエスト航空でも続発した事故を受けて、1939年には全機がDC-3に置き換えられました。

軍用輸送機としての実績もあまりありません。アメリカ陸軍航空隊では採用されず、1938年にはアメリカ海軍が1機をXR4O-1として試用したのみでした。第二次世界大戦が勃発すると、航空会社で運用されていた機体のごく少数が各国の軍で利用されました。南アフリカ空軍は一時的に3機を運用しましたが、すぐにイギリス空軍に引き渡されました。BOACの機体もイギリス空軍に徴用されたほか、オランダ領インド航空の機体がオーストラリアに脱出し、その後豪州空軍に使用されることとなりました。この機体は1944年にはアメリカ陸軍にC-111と名付けられました。また、脱出に失敗した機体は日本軍に捕獲されて利用される事例もありました。

加えて、イギリス海軍向けのハドソン系列は哨戒爆撃機として生産され、約3000機近くが製造されるなど成功を収めました。

機体性能 (Model 14-WF62 Super Electra)

• - 乗員: 3名
• - 乗客数: 12名
• - 全長: 13.52 m
• - 全幅: 19.97 m
• - 高さ: 3.48 m
• - 翼面積: 51.2 m²
• - 空虚重量: 4,886 kg
• - 全備重量: 7,114 kg
• - 最大離陸重量: 7,955 kg
• - エンジン: Wright SGR-1820-F62 空冷星型レシプロエンジン (760 hp)
• - 最大速度: 250 mph (402 km/h)
• - 航続距離: 2,125 mi (3,420 km)
• - 最大上昇高度: 24,500 ft (7,649 m)
• - 翼面荷量: 28 lb/ft² (139 kg/m²)

関連項目

• - 大日本航空球磨号墜落事故
• - ロッキード ハドソン: L-14 スーパーエレクトラの軍仕様
• - ロッキード L-18 ロードスター: L-14 スーパーエレクトラの改良版

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