ロッテケミカル

ロッテケミカル株式会社は、大韓民国を代表する総合化学メーカーの一つとして、韓国有数の企業グループであるロッテグループの中核を担う存在です。石油化学製品を基盤とした幅広い事業を展開し、世界市場においても重要な位置を占めています。

沿革

ロッテケミカルの歴史は、1976年に湖南石油化学株式会社として設立されたことから始まります。これは、韓国の石油化学産業発展における重要な一歩でした。

1980年には、当時の湖南石油化学はロッテグループによって買収され、民営化されました。この経営体制の変更は、企業のその後の成長と発展に大きな影響を与えることになります。

民営化後の企業は着実に成長を続け、1991年には株式公開を果たしました。これにより、より広く資本を募ることが可能となり、事業拡大に向けた財務基盤を強化しました。

長らく湖南石油化学として親しまれてきましたが、グローバル企業としてのブランド戦略の一環として、2012年に現在の「ロッテケミカル株式会社」へと商号を変更しました。

近年における最大の転換期の一つは、2016年にサムスングループの化学関連事業を包括的に買収したことです。具体的には、サムスンSDIの化学部門、サムスン精密化学、サムスンBP化学などがロッテケミカルの傘下に入り、これにより事業ポートフォリオの拡充と競争力の強化が図られました。この買収は、韓国化学業界における再編の象徴的な出来事として注目されました。

主な生産品目

ロッテケミカルは、基礎化学品から合成樹脂に至るまで、多岐にわたる製品を生産しています。

NCC（ナフサ分解センター）: 石油化学産業の根幹となる設備であり、ナフサを分解してエチレンやプロピレンなどの基礎原料を製造します。
ECC（エタン分解センター）: エタンを原料としてエチレンを生産する設備であり、ナフサ分解とは異なる原料ルートからのエチレン供給を可能にします。
HDPE（高密度ポリエチレン）: 丈夫で耐久性に優れ、容器、パイプ、フィルムなど幅広い用途に利用される合成樹脂です。
LDPE（低密度ポリエチレン）: 柔軟性があり、主に包装用フィルム、農業用フィルム、ケーブル被覆などに使用される合成樹脂です。
ABS（アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン）: 衝撃強度が高く、加工性に優れることから、家電製品の外装、自動車部品、建材など、様々な工業製品に使用されるエンジニアリングプラスチックです。

これらの製品は、自動車、エレクトロニクス、建設、包装、農業など、現代社会を支えるあらゆる産業分野で不可欠な素材として利用されています。総合化学メーカーとして、原料調達から最終製品に近い段階までの幅広い製品ラインナップを持つことが、ロッテケミカルの強みとなっています。

ロッテケミカルは、変化する市場環境に対応し、技術開発と生産効率の向上に努めながら、持続可能な社会の実現に貢献するための事業活動を進めています。グローバルな事業展開を通じて、世界の化学産業におけるプレゼンスを高めています。

外部リンク

ロッテケミカル （朝鮮語）

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