ロトンダ (テッサロニキ)

テッサロニキのロトンダ：多様な歴史を物語る円形建築

ギリシャのテッサロニキにそびえ立つロトンダは、ローマ帝国時代の306年に、皇帝ガレリウスによって自身の霊廟として建設が開始された円柱形の建築物です。ガレリウスのロトンダとも呼ばれ、日本語ではロタンダ、ロトゥンダと表記されることもあります。

直径24.5m、壁の厚さが6mを超える堅牢な構造は、幾多の地震にも耐え抜き、現在までその姿を保っています。内部には彫像などを安置するための8つの窪みがあり、そのうちの一つが入り口として機能していました。レンガ造りの天井は高さ約30mに達し、当初はローマのパンテオンのような球形ドームと、頂上に円形の天窓（オクルス）を設ける計画でした。

しかし、311年にガレリウスが死去し、生地近くのロムリアーナ遺跡に埋葬されたため、ロトンダは霊廟として使用されることはありませんでした。その後、皇帝コンスタンティヌス1世によってキリスト教会に改築され、内部は美しいモザイク画で飾られました。その一部は現在も残っており、当時の面影を伝えています。

1200年近く教会として使用された後、1590年にテッサロニキがオスマン帝国の領土となると、ロトンダはモスクへと転換されました。ミナレットが追加され、「スレイマン・ホルタジ・エフェンディ・モスク」と呼ばれるようになります。1912年、第一次バルカン戦争によってテッサロニキがギリシャ領となると、再びキリスト教会へと戻されましたが、モスク時代のミナレットはそのまま残されることとなりました。

現在、ロトンダはギリシャ政府の文化財保護部門の管理下にあり、特別な祭事の際にはギリシャ正教会が施設を借りて利用しています。様々な宗教や文化が交錯した歴史を物語る貴重な遺産として、多くの人々にその壮麗な姿を公開しています。

アクセス

ギリシャ国鉄 テッサロニキ新駅から南東へ約2.3km。

関連項目

ガレリウスの凱旋門：ロトンダから南西150mに位置する、同時期に建設された凱旋門。
ロタンダ：円形建築物の総称。

参考文献

* (参考文献の情報は提供されていません。必要に応じて追記してください。)

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