ロニー・チェン

ロニー・チェン：コメディ界の新星、その軌跡と魅力

ロニー・チェン（Ronny Xin Yi Chieng）は、1985年11月21日生まれのマレーシア出身のコメディアンであり、俳優としても活躍しています。ジョホールバルで生まれ、中国系マレーシア人として育ちました。シンガポールやアメリカ合衆国での生活を経て、メルボルン大学を卒業しています。

コメディアンとしてのキャリア

チェンはオーストラリアでキャリアをスタートさせ、その才能を開花させました。2015年からは、アメリカ合衆国の政治風刺ニュース番組『ザ・デイリー・ショー』に出演し、一躍人気者となります。彼の辛辣でユーモア溢れる視点は、多くの視聴者を魅了しました。

2016年7月には、『バラエティ』誌の「見るべきお笑い」10選に選出され、その実力が広く認められました。同年には、『ザ・デイリー・ショー』でFOXニュースのジェシー・ウォーターズによる人種差別的発言を痛烈に批判し、大きな話題となりました。チェンはウォーターズが住民を嘲笑したニューヨークのチャイナタウンで、流暢な中国語（官話と広東語）を用いて丁寧なインタビューを行い、その映像は瞬く間にバイラルとなり、ワシントン・ポストやスレイトなどの主要メディアでも報道されました。

俳優としての活躍

チェンはコメディアンとしての活動と並行して、俳優としても精力的に活動しています。2017年には、オーストラリアのマレーシア人留学生としての自身の経験に基づいたシットコム『Ronny Chieng: International Student』の共同脚本と主演を務めました。この番組は、アメリカのコメディ・セントラルとオーストラリアのABC TVで放送されました。

2018年には、『クレイジー・リッチ!』で銀行家エディ・チェン役を演じ、映画デビューを果たしました。その後も、数々の映画やテレビ番組に出演し、その演技力が高く評価されています。

Netflixスペシャルと新たな挑戦

2019年には、自身初のスタンダップコメディスペシャル『ロニー・チェンのアメリカをぶっ壊す！』がNetflixで配信されました。この作品は、『ザ・デイリー・ショー』でチェンと仕事をしたセバスティアン・ディナターレが監督を務めました。

2021年初頭には、Netflixとさらに2本のスタンダップスペシャルと1本の「ドキュコメディ」を制作する契約を結びました。また、マーベル・スタジオの『シャン・チー/テン・リングスの伝説|シャン・チー_テン・リングスの伝説』では、オリジナルキャラクターのジョン・ジョン役を演じました。さらに、同年7月には、チェンとディナターレがソニーでマーシャルアーツを題材にしたアクションコメディ映画の脚本を共同執筆することが発表されました。

2022年には、YouTuberのデイヴィッド・ファンが出演し、『シャン・チー』の共演者であるシム・リウやNBA選手のジェレミー・リンもゲスト出演したドキュコメディ『Ronny Chieng Takes Chinatown』が公開されました。同年4月には、2作目のNetflixスペシャル『ロニー・チェンのココだけの話』が配信され、好評を博しています。

物議を醸したジョーク

2022年10月、チェンはリシ・スナクがイギリス初のインド系の首相に就任したことについて、『ザ・デイリー・ショー』で「みんな初めてアジア系の首相が出て興奮しているのはわかるけど、はっきりさせておこう。インド系はアジア人じゃないだろ？いやもちろんちゃんとした人たちだよ。でもアジア人じゃない」というジョークを飛ばし、インターネット上で多くの批判を浴びました。特にインド系のユーザーからの反発が強く、物議を醸しました。

ロニー・チェンの日

2024年7月、チェンが公演のためにホノルルに滞在した際、市長のリック・ブランジャルディはチェンのエンターテインメント業界への貢献を称え、7月27日を「ロニー・チェンの日」とすることを発表しました。

私生活

チェンは2015年にアメリカへ移住して以来、ニューヨークに在住しています。弁護士の女性と結婚しており、公私ともに充実した生活を送っています。オーストラリアには10年ほど住んでいましたが、市民権や永住権は取得していません。

ブラジリアン柔術を嗜んでおり、青帯を取得しています。また、時計のコレクターとしても知られており、学生時代に初めて購入したセイコー5以来、コレクションを続けています。Hodinkeeのシリーズ「Talking Watches」では、自身のコレクションについて語り、ブルース・リーが愛用していたとされるセイコー クロノグラフ Ref. 6139-6010や、ヴィンテージのGMT-Master Ref. 16753 "Root Beer"などを紹介しています。亡き父から受け継いだ1984年製のツートーンのロレックスも所有しており、『アンティーク・ロードショー』で5000ドルの評価を受けました。

ロニー・チェンは、その才能と努力によって、コメディ界だけでなく、俳優としても着実にその地位を確立しています。今後、彼がどのような活躍を見せてくれるのか、目が離せません。

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