ロバート・デイヴィッドスン

ロバート・ヤング・デイヴィドスン

ロバート・ヤング・デイヴィドスン（Robert Young Davidson, 1846年5月9日 - 1909年3月11日）は、明治時代の日本で活動したスコットランド一致長老教会の宣教師です。教育と伝道に尽力し、日本の近代キリスト教史に重要な貢献をしました。

生涯

幼少期と学業

1846年、デイヴィドスンはスコットランドに生まれました。父ピーターはスコットランド一致長老教会の牧師で神学博士であり、母メリーとの間に生まれました。キリスト教の信仰が深く根ざした家庭環境で育ちました。高等学校を卒業後、一旦は会社事務員として働きましたが、やがて牧師となることを志すようになり、エディンバラ大学ニューカレッジを経て、一致長老教会の神学校で神学を修めました。

日本への派遣と来日

神学校卒業を控えた1873年、デイヴィドスンは海外伝道局を通じて日本への宣教を志願し、派遣されることとなりました。同年、エディンバラの中心街クイーン・ストリート・ホールでは、デイヴィドスンを含めた3名の日本伝道に向かう宣教師の壮行会が盛大に開催されました。スコットランド一致長老教会からは同僚のヘンリー・フォールズ夫妻が、そして超宗派のエディンバラ医療宣教会からはセオボールド・パーム医師が、それぞれ共に日本へ旅立つことになっていました。

一行は航路で日本を目指し、来日時期については諸説ありますが、広く知られているのは1874年3月にフォールズ夫妻と共に到着したとする説です。一方、1873年12月24日に神戸港へ到着したとの記録も存在します。

日本での活動

来日後、デイヴィドスンは築地にあったクリストファー・カロザース経営の私塾、築地大学校で教師として教壇に立ちました。教育活動を行う傍ら、日本語の習得にも力を入れ、播磨龍野藩出身の尾野重俊を日本語教師として招きました。尾野はデイヴィドスンから大きな影響を受け、1874年4月10日に洗礼を受けました。その後、旧沼津藩出身の三浦徹も日本語教師となり、彼もまたデイヴィドスンから洗礼を受けて、熱心な助手として宣教活動を支えました。

教育活動に加え、デイヴィドスンは精力的に伝道活動を展開しました。特に千葉県房総地方への伝道旅行を敢行し、その働きは多くの人々に福音を伝えました。こうした彼の熱心な伝道活動の結果、1877年12月8日には両国において教会が設立されました。これが現在の日本基督教団永福町教会の前身である両国教会です。翌年には、両国教会は当時の日本のプロテスタント教会合同運動の主要団体の一つであった日本基督一致教会の東京中会に加入し、日本の教会組織の一翼を担うこととなりました。

私生活では、1880年に米国長老教会から派遣されていた女性宣教師、キャロライン・E・エルドレッドと結婚しました。

晩年

1890年、デイヴィドスンが所属していたスコットランド一致長老教会が、日本における宣教活動の打ち切りを決定したことにより、彼の日本での活動は終結を迎えることとなりました。翌1891年、デイヴィドスンは妻と共にスコットランドへ帰国しました。

帰国後は故郷で静かに過ごし、1909年3月11日、エディンバラにてその生涯を閉じました。

ロバート・ヤング・デイヴィドスンは、教育者としてまた伝道者として、激動の明治期における日本のキリスト教普及と発展に貢献した人物として記憶されています。

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