沼津藩

沼津藩の概要

沼津藩（ぬまづはん）は、江戸時代に存在した藩の一つです。現在の静岡県沼津市大手町に位置し、沼津城をその中心としていました。この藩は水野家が藩主を務め、歴史的には譜代大名の老中を輩出したことが特徴です。

構成と歴史

沼津藩の起源は、近世の大名である大久保治右衛門忠佐が初めて沼津に本拠を置いたことに遡ります。彼は慶長6年（1601年）に上総茂原から2万石で三枚橋城に入封し、沼津藩が成立しました。しかし、忠佐は入封から12年後の1613年に死去し、当時の後継者である大久保忠兼も同年に亡くなったため、沼津藩の大久保家は無嗣断絶となり、藩は改易されました。その後、沼津は駿河府中藩の領地や幕府領となり、三枚橋城も消失してしまいました。

再び大名の本拠が沼津に置かれたのは、1777年の安永6年のことです。水野出羽守忠友が三河大浜藩から2万石で転封され、新たに藩主となりました。忠友はその後も加増を受け、権限を拡大していきました。

藩の歴史では第2代藩主、水野忠成が特に重要な役割を果たしました。彼は徳川家斉の老中として国政に関与し、さらには賄賂政治がその権力維持の手段であったとも言われています。また、忠成はその死後も、後継者である水野忠義や水野忠武が天保の改革で家庭を受けた影響を受け、さまざまな経済政策を強いられました。

藩の歴史は幕末においても続き、第6代藩主水野忠寛は井伊直弼と共に権力を握る一方で、第8代藩主水野忠敬は戊辰戦争において新政府に協力しました。しかし、明治元年（1868年）には、政府の命により上総菊間藩に転封され、沼津藩は廃藩となってしまいます。残された土地は駿府藩に編入されました。

城とその遺構

沼津城は、狩野川の右岸に築かれ、戦略的な地点に位置していました。東海道は当時、城と川に挟まれた道を通っており、沼津藩にとって重要な交通路でした。現在では、城の遺構として市内の寺院に移築された門が残っています。

歴代藩主

• - 大久保家: 藩の初代、忠佐が2万石で藩を形成。
• - 水野家: 安永6年（1777年）から廃藩（1868年）までの間、藩主を務め、石高は段階的に増加しました。

- 水野出羽守忠友
- 水野出羽守忠成
- 水野出羽守忠義
- 水野出羽守忠武
- 水野出羽守忠寛
- 水野出羽守忠誠
- 水野出羽守忠敬

地域と領土

沼津藩は駿河国を中心に広がっており、富士郡や伊豆国、一部は三河国や越後国にも及びました。藩の領土には37村、7村、11村など多くの村が存在しました。

関連項目

• - 松長藩

沼津藩は、その短い歴史ながらも多くの膨大な情報と複雑な人間関係の中で生きた藩でした。藩主たちによる様々な政策とその後の影響が、今日の静岡県に当たる地域の形成に寄与しています。

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