ロバート・ミドルトン

ロバート・ミドルトン

アメリカの俳優、ロバート・ミドルトン（Robert Middleton, 1911年5月13日 - 1977年6月14日）は、その独特の低い声と重厚な存在感で知られた人物です。

オハイオ州シンシナティで生を受けた彼は、大学を卒業した後、天性の低く響く声質を活かし、ラジオのアナウンサーとしてキャリアを始めました。言葉を操る仕事から、やがて演技の世界へ惹かれ、ブロードウェイの舞台で俳優活動を開始します。その豊かな声量は、舞台上でも彼の大きな武器となりました。

舞台での経験を積んだ後、ミドルトンは活躍の場を広げ、1951年にはテレビドラマへ進出します。そして1954年、ハリウッドの作品『銀の盃』で念願の銀幕デビューを飾りました。これを皮切りに、彼は精力的に数多くの映画やテレビへ出演を重ねていくことになります。

彼が特にその才能を発揮し、観客に強い印象を残したのは、悪役や強面の役柄でした。威圧的な体格と、一度聞いたら忘れられない低い声は、悪漢や権力者、あるいは策略家といったキャラクターに深みとリアリティを与えました。彼は典型的な悪役にとどまらず、作品によっては複雑な内面を持つ人物を演じ分け、俳優としての幅広さも見せました。多作な俳優として知られ、キャリアを通じて多くのプロダクションに名を連ねています。

特に1955年の出演作は注目に値します。『アメリカの戦慄』、『ダニー・ケイの黒いキツネ』といったバラエティ豊かな作品に出演したほか、緊迫感あふれるサスペンス『必死の逃亡者』では重要な役を演じ、同作はキネマ旬報ベスト・テン第2位となるなど高評価を得ました。また、同年にはフィルム・ノワールの傑作『暴力団』にも出演し、その存在感を強く印象付けました。

その後も、『やさしく愛して』、『友情ある説得』など話題作に出演。西部劇、コメディ、ドラマと、ジャンルを問わずその演技は観客に強い印象を残しました。テレビの世界でも、『ローハイド』、『刑事コロンボ』、『スパイ大作戦』といった日本でもよく知られた人気シリーズにゲスト出演するなど、晩年まで精力的な活動を続けました。

ロバート・ミドルトンは1977年6月14日、うっ血性心不全により66歳でこの世を去りました。彼の残した数多くの作品は、当時のハリウッド映画やテレビドラマを語る上で重要な足跡となっています。

主な出演作品

映画

銀の盃 [1954]
アメリカの戦慄 [1955]
ダニー・ケイの黒いキツネ [1955]
必死の逃亡者 [1955]
暴力団 [1955]
誇り高き男 [1956]
ボスを倒せ! [1956]
やさしく愛して [1956]
友情ある説得 [1956]
翼に賭ける命 [1957]
ロンリーマン [1957]
ゴーストタウンの決斗 [1958]
底抜け船を見棄てるナ [1959]
果てしなき夢 [1959]
荒野の逃亡者 [1960]
おとぼけ先生 [1961]
セブンセントの決闘 [1961]
決闘ブラックヒル [1963]
踊れ!サーフィン [1964]
テキサスの五人の仲間 [1966]
テキサス魂 [1970]
ジュリアノ・ジェンマのくたばれカポネ [1973]

テレビ

ローハイド [1963-65]
バークにまかせろ [1965-66]
0088/ワイルド・ウエスト|0088_ワイルド・ウエスト [1966]
殺し屋株式会社 [1971]
スパイ大作戦 [1972]
刑事コロンボ [1973]
青い接触 [1973]
警部マクロード [1973]

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