ロベルト・ラヴァーリア

ロベルト・ラヴァーリア：ツーリングカーレースの帝王

ロベルト・ラヴァーリアは、1957年イタリア・ヴェネツィア生まれの元レースドライバーです。類まれな才能と卓越したドライビングテクニックで、ツーリングカーレースの歴史にその名を刻みました。3つの異なるツーリングカー選手権でチャンピオンに輝き、FIA主催のヨーロッパツーリングカー選手権では前人未到の三連覇（1986年～1988年）を達成するなど、数々の偉業を成し遂げ、史上最も成功したツーリングカードライバーの一人として広く認知されています。

華麗なるキャリア

若き日にイタリアカート選手権で2度のチャンピオンに輝いたラヴァーリアは、その後フォーミュラ3を経て、1984年にツーリングカーレースの世界に足を踏み入れました。そして1986年、ヨーロッパツーリングカー選手権（ETC）でチャンピオンの座を獲得。翌1987年には、ETCが世界ツーリングカー選手権（WTC）と名を変えたその初代チャンピオンに輝き、マカオグランプリのギアレースも制覇するなど、まさに絶頂期を迎えました。この年は、BMWが新たに投入したBMW M3シリーズが数々の勝利をもたらす幕開けでもありました。1988年もETCで連覇を達成しましたが、シーズン終了後に交通事故で肋骨を骨折するアクシデントに見舞われ、ギアレース連覇は叶いませんでした。

ETCが終了した1989年にはドイツツーリングカー選手権（DTM）に参戦し、初年度でチャンピオンを獲得。さらに1990年にはイタリア・スーパーツーリングカー選手権に移籍、こちらも初年度からチャンピオンに輝き、1991年も連覇を達成。1993年には3度目のタイトルを獲得するなど、圧倒的な強さを見せつけました。1992年はチャンピオンを逃したものの、1986年から1991年にかけて6年連続で異なる3つのツーリングカー選手権で頂点に立ったという驚異的な記録は、彼の類まれな才能を証明しています。

1994年にはイタリアツーリングカー選手権と並行してイギリスツーリングカー選手権（BTCC）にも参戦しましたが、唯一タイトルを獲得できなかった選手権となりました。1997年、マクラーレンF1 GTRを駆ってFIA GT選手権に参戦したのを最後に、ドライバーとしてのキャリアに幕を閉じました。

チームオーナーとして

ドライバー引退後は、アルド・プレトとの共同所有でROAL Motorsportというツーリングカーチームを設立し、チームオーナー兼監督として活躍を始めました。2001年に再開されたヨーロッパツーリングカー選手権（ETCC）では、BMW社のワークスチームとして参戦し、ETCCが世界ツーリングカー選手権（WTCC）へと発展した後もチームを率いています。かつて所属したBMWワークスのシュニッツァー・チーム（BMWチーム・ドイツとしてETCC、WTCCに参戦）とは、現在はライバルとして切磋琢磨する関係にあります。

まとめ

ロベルト・ラヴァーリアは、ドライバーとしてだけでなく、チームオーナーとしても成功を収めた稀有な存在です。彼の功績は、単なるレースの勝利という枠を超え、モータースポーツ界全体に大きな影響を与えました。イタリア出身のドライバーとして、そしてBMWワークスチームとの深い関わりを通して、彼はモータースポーツの歴史に永遠にその名を刻み込むことでしょう。彼の輝かしいキャリアと、ROAL Motorsportの今後の活躍にも目が離せません。

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