ロベール・ゲイ

ロベール・ゲイ（1941年3月16日 - 2002年9月19日）は、コートジボワールの軍人であり政治家です。1999年12月24日から2000年10月26日まで、コートジボワールの元首（大統領）を務めました。

生涯

ゲイはコートジボワール西部のカバクマ村で、ヤクバ人の子として生まれました。フランス軍に入隊後、ワガドゥグーの士官学校とサン・シール陸軍士官学校で教育を受けました。フェリックス・ウフェ＝ボワニ大統領の支持者であり、1990年には兵士の反乱を鎮圧し、国軍総参謀長に昇進しました。1993年にウフェボワニ大統領が死去し、アンリ・コナン・ベディエが大統領に就任した後も、ゲイは総参謀長の地位に留まりました。しかし、1995年10月、ベディエ大統領と野党指導者アラサン・ワタラの間の紛争に軍を動員することを拒否したため、解任されました。その後、スポーツ大臣として入閣しましたが、1996年8月10日に更迭されました。

1999年12月24日、兵士による反乱が発生し、ベディエ政権が崩壊しました。ゲイはこの反乱を主導したわけではありませんでしたが、兵士らに担ぎ出され、軍事政権の首班となりました。ゲイは半年以内の民政移管を公約しましたが、実施された大統領選挙では、ベディエ元大統領とワタラに出馬を禁止し、自らに有利な状況を作り出した上で、ローラン・バグボと選挙戦を戦いました。しかし、ベディエ派やワタラ派の反発により敗北。選挙結果を不服として蜂起しましたが、バグボ派の民兵に鎮圧され、自身の地盤である西部のGouessessoへと退却しました。ゲイ派の勢力が強い西部は「ゲイランド」と呼ばれ、政府軍の立ち入りが困難な状況が続きました。2001年には和平交渉が行われましたが、不調に終わりました。

2002年9月19日、コートジボワール全土で反政府勢力が一斉に蜂起し、コートジボワール内戦が勃発しました。ゲイ派はこの動きの中核を担い、ゲイの地盤である西部やワタラ派の強い北部を掌握しましたが、経済首都アビジャンでは再びバグボ派に敗れました。ゲイ自身もアビジャン市内の自宅でバグボ派に襲撃され、家族もろとも殺害されました。

ゲイの遺体は、2006年8月18日に葬儀が行われるまで、4年間も安置所に放置されていました。彼の生涯は、コートジボワールの政治的混乱と内戦の象徴として、今もなお記憶されています。

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