ロベール1世 (アルトワ伯)

ロベール1世（1216年 - 1250年）は、フランス王ルイ8世と王妃ブランシュ・ド・カスティーユの息子として生まれました。彼は、後のフランス王となるルイ9世の弟であり、カペー朝の支流であるアルトワ家の祖として知られています。

1250年、ロベール1世は兄ルイ9世と共に第7回十字軍に参加し、アイユーブ朝が支配するエジプトを攻撃しました。十字軍はカイロを目指して進軍しましたが、その途上、マンスーラの戦いにおいてアイユーブ朝軍に敗北。この戦いでロベール1世は命を落としました。もしエジプトを征服することができていれば、ロベール1世がエジプト王に擁立される予定だったという説も存在します。

1237年、ロベール1世はブラバント公アンリ2世の娘マティルドと結婚し、一男一女をもうけました。

ブランシュ（1248年 - 1302年）：ナバラ王エンリケ1世と結婚した後、イングランド王族である初代ランカスター伯エドマンドと再婚しました。
ロベール2世（1250年 - 1302年）：アルトワ伯を継承しました。

ロベール1世の死後、未亡人となったマティルドは、サン＝ポル伯ギー3世と再婚しています。

ロベール1世は短い生涯でしたが、十字軍への参加やアルトワ家の祖としての役割など、フランス史において重要な足跡を残しました。彼の生涯は、当時のヨーロッパにおける政治情勢や宗教的熱狂を反映しており、歴史研究における重要なテーマとなっています。

参考文献
* ジャン・ド・ジョワンヴィル著、伊藤敏樹訳『聖王ルイ 西欧十字軍とモンゴル帝国』（ちくま学芸文庫、2006年）

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