ロンゴミニアド

ロンゴミニアド（Rhongomyniad）

ロンゴミニアドまたはロンゴミアントは、ウェールズのアーサー王伝説に登場する有名な槍です。その呼び名は「槍」を意味する「rhon」と、「なぎ倒す」を意味する「gomyniad」が組み合わさったものです。この伝説的な武器は、アーサー王にとって特別な意味を持つアイテムとされています。

アーサー王とロンゴミニアドの関係

アーサー王伝説の重要な文献の1つである『キルッフとオルウェン』において、アーサーは登場人物のキルッフに対して「望みの物を与えよう」と語りかけるシーンがあります。その中で、例外的に与えることができない道具の一つとしてロンゴミニアドの名が挙げられており、その重要性と価値が示されています。

また、『ウェールズのトライアド』では、ロンゴミニアドがアーサーの剣であるカラドヴルフ（カレドヴルフ）や短剣カルンウェナンと並び、神から与えられた神聖な武器の一つとされています。この記述は、アーサー王がいかに特別な地位にあったかを物語っています。

歴史的な文献における位置づけ

ジェフリー・オブ・モンマスによる著作『ブリタニア列王史』では、アーサーがバドン山の戦いで使用した馬上槍がロン（Ron）という名で言及されており、これは元のウェールズ語の名称の略称であると考えられています。このように、様々な文献においてロンゴミニアドは異なる名で触れられていることが特徴です。

さらに、ヴァースの『ブリュ物語』では「ロワ」という名前が用いられています。この名は「頑丈」を意味し、武器としての強さを示唆しています。同様に、ラハモンによる『ブルート』でも言及されており、アーサーの槍がカーマーゼンの鍛冶師グリフィンによって鍛えられたことが述べられています。これにより、ロンゴミニアドはウェールズ文化の中で非常に重要な役割を果たしたことがわかります。

私たちが知る限りでは、ロンゴミニアドはかつてユーサー・ペンドラゴン、アーサー王の父に属していたという記録も残されており、その伝承は非常に古いことを示しています。このように、ロンゴミニアドは単なる武器としてだけではなく、ダークリッチのように歴史的、文学的な背景を持つ存在なのです。

まとめ

全体として、ロンゴミニアドはウェールズのアーサー王伝説における重要な要素であり、その名は多くの文献において語り継がれています。アーサー王が持つ槍としての役割だけでなく、その神聖さや歴史的な背景をも含めて評価されている点が、ロンゴミニアドの特異な魅力を形成しています。この伝説的な武器は、ウェールズの文化やアーサー王伝説の核心に深く根ざしているのです。

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