ロン・J・ジョンストン

ロナルド・ジョン・ジョンストンについて

ロナルド・ジョン・ジョンストン（Ronald John Johnston, OBE, FAcSS, FBA）は、1941年3月30日にイングランドのスウィンドンで生まれ、2020年5月29日に79歳で亡くなったイギリスの著名な人文地理学者です。彼は「ロン・J・ジョンストン」や「R・J・ジョンストン」としても知られています。ジョンストンは、特に地理学の根本的な理論や学史に関心を持ち、都市社会地理学や選挙地理学の分野でも重要な貢献をしました。人文地理学の複雑なテーマを計量的手法を用いて批判的に分析し、その広範な研究領域が彼の業績に反映されています。

教育とキャリアの歩み

ジョンストンは、1962年にマンチェスター大学で学士号を取得し、1964年には同大学で修士号を取得しました。その後、オーストラリアへ渡り、メルボルンのモナシュ大学でPhDを取得。ここで彼は、計量革命が始まっていたこの時代において研究テーマを選定し、都市社会地理学に関する最初の論文を発表しました。

キャリアの初期においては、1967年から1974年にかけてニュージーランドのカンタベリー大学で教職を務め、選挙地理学への関心を深めました。その後、シェフィールド大学で教授職に就任し、1979年には初の著書『Geography and Geographers』を出版。これが引き金となり、彼の名は国際的に広まりました。

ジョンストンは学術誌『Progress in Human Geography』と『Environment and Planning A』の編集委員に就任し、重要な研究発表の場を提供しました。1981年には、彼の手による『The Dictionary of Human Geography』の初版が発行され、この辞典は以降も地理学分野における必須の参考書として地位を確立しています。

1992年にはエセックス大学の副学長、1995年にはブリストル大学の教授となり、学界での地位を確固たるものにしました。彼は2006年まで前述の学術誌の編集委員を務め、その後も活発に研究や執筆活動を行っていました。

評価と受賞歴

ジョンストンは彼の研究成果によって、高い評価を得てきました。最も引用される地理学者の一人とされ、王立地理学会が授与する多くの賞を受賞しています。具体的には、1985年のマーチソン賞、1990年のヴィクトリア・メダル、1999年のヴォートラン・ルッド国際地理学賞、2009年にアメリカ地理学会から授与される生涯功労賞などがあります。

彼はまた、エセックス大学、モナシュ大学、シェフィールド大学、バース大学から名誉学位も授与されています。1999年には英国社会科学院（FAcSS）の創設メンバーの一人として選出され、2011年には女王の叙勲で大英帝国勲章（OBE）を受章しました。

主な著作

ジョンストンは多くの著作を残しており、数々のモノグラフや編著を通じて地理学の発展に寄与しました。中でも、『Urban Residential Patterns: An Introductory Review』（1971年）や『The Geography of Elections』（1979年）、『A Question of Place: Exploring the Practice of Human Geography』（1991年）等は特に注目される著作です。

更に、彼は『The Dictionary of Human Geography』（1981年初版）を編纂し、その後の版を通じて多くの研究者に利用されてきました。これらの作品は、彼の研究に対する貢献と人文地理学における影響力を物語っています。

最後に

ロナルド・ジョン・ジョンストンは、地理学の改革と向上に尽力し、その生涯を通じて多くの学生や研究者に影響を与えてきました。彼の専門分野における業績は、今後も学問の発展や新たな視点の提供に寄与していくことでしょう。

もう一度検索