ローズヒップ

ローズヒップとは

ローズヒップは、バラ科バラ属の植物、いわゆる「バラ」の果実を指します。「ヒップ」という言葉は、お尻を意味するものではなく、バラの果実そのものを指す言葉です。

食用としての利用

ローズヒップは、赤色、オレンジ色、濃い紫色など、様々な色を持ち、形も球形、紡錘形、涙形など多様です。ビタミンCを豊富に含み、ハーブティーとして広く利用されています。また、ローズヒップを生産するために、特定のバラの品種、特にイヌバラが栽培されています。ハイビスカスとブレンドしたハーブティーとしても人気があります。食用油としてのローズヒップオイル、ジャム、ジェリー、マーマレードなど、様々な食品に加工されます。また、スキンケア製品にも利用されるほか、民間薬やビタミンCを補給するためのサプリメントとしても用いられています。スウェーデンでは、ローズヒップを使ったニッポンソッパというスープ料理も食されています。

栄養価

野生のローズヒップは特にビタミンCが豊富で、100gあたり426mgも含まれています。ただし、HPLC分析によると、未加工のローズヒップや市販の製品におけるビタミンCの含有量にはばらつきがあり、0.03％から1.3％の範囲で変動することがあります。ローズヒップには、カロテノイド、ベータカロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペンといった成分も含まれていますが、これらの生物学的な役割については現在基礎研究が進められています。メタアナリシスの結果、ローズヒップ抽出物が関節炎に対してある程度の効果がある可能性が示唆されていますが、効果と安全性をさらに検証するための臨床試験が求められています。一方で、変形性膝関節症への効果は限定的であることが示されています。

歴史

第二次世界大戦中、イギリスではドイツ海軍のUボートによる海上封鎖でオレンジの輸入が途絶え、ビタミンCの供給が不足しました。このため、英国の学童たちは、ビタミンCを補給する目的で、生垣に生えているローズヒップを採集するよう指示されました。この歴史的事実は、ローズヒップが重要なビタミンC源として認識されていたことを示しています。

ローズヒップの重要なバラの品種

ローズヒップが採取されるバラの代表的な品種は、以下の通りです。

ハマナス
イヌバラ

外部リンク

* ローズヒップ - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）

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