ゼアキサンチン

ゼアキサンチンとは

ゼアキサンチンは、目の網膜に存在するカロテノイドの一種です。特に、網膜の中心部分である黄斑の中央部に主要な構成物質として存在しています。一方、網膜の周辺部ではルテインが主要な構成物質となります。

ルテインとゼアキサンチンは、どちらもカロテノイドの一種で、互いに異性体の関係にありますが、光学異性体ではありません。化学構造における大きな違いは、分子末端の環状構造にある二重結合の位置です。ルテインには3つのキラル中心があるのに対し、ゼアキサンチンは2つしかありません。

ゼアキサンチンは、キサントフィルサイクルを構成する3つのキサントフィルの一つでもあります。

ゼアキサンチンの存在

ゼアキサンチンは、自然界では植物の色素として広く存在しています。パプリカ、トウモロコシ、サフラン、クコの実などがその代表例です。これらの植物が持つ鮮やかな色彩は、ゼアキサンチンによるものです。また、サフランの独特な味と香りの元となるサフラナールは、ゼアキサンチンの前駆体であるピクロクロシンが分解されることで生成されます。

ゼアキサンチンを多く含む食品

ルテインやゼアキサンチンを多く含む食品としては、濃い緑色の葉物野菜が挙げられます。具体的には、ケール、ほうれん草、カブの葉、コラードグリーン、ロメインレタス、クレソン、フダンソウ、カラシナなどが知られています。これらの野菜を積極的に摂取することで、ゼアキサンチンを効率よく補給することができます。

天然アユにおけるゼアキサンチン

岐阜薬科大学の研究グループによると、長良川の天然アユの目には、ゼアキサンチンが非常に多く含まれていることが判明しています。一般的なマアジの目のカロテノイド含有量が3μgであるのに対し、アユは552μgと桁違いに多く、その内訳もマアジでは20.1%であるのに対し、アユは78.3%がゼアキサンチンであることが分かりました。この結果から、アユの視覚機能においてゼアキサンチンが重要な役割を果たしている可能性が示唆されます。

まとめ

ゼアキサンチンは、私たちの健康、特に目の健康にとって重要な役割を果たす成分です。緑黄色野菜などの食品から積極的に摂取することを心がけましょう。

出典

BioCyc

外部リンク

BioCyc

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