ロータス・97T

ロータス・97Tの概要

ロータス・97Tは、1985年のF1世界選手権に向けてチーム・ロータスによって開発されたフォーミュラ1カーです。この車両は、著名なエンジニア、ジェラール・ドゥカルージュによって設計され、シーズン開幕から最終戦まで競技に使用されました。

デザインと技術的特徴

97Tは、前モデルの95TやCART用に設計された96を基にした基本的なデザインを踏襲していますが、シャーシの構造は新たにカーボンファイバーを使用し、アルミハニカム材をサンドイッチする方式に変更されました。この革新は96から引き継がれたもので、軽量さと強度を兼ね備えた高性能なマシンに仕上げることに貢献しました。

シーズンの初期には、フロントホイールとサイドポンツーンの間にバージボードを搭載していたため、空力性能においても注目されていました。このデザインは、多様なレーストラックでの走行パフォーマンスを向上させる役割を果たしました。

ドライバーと成果

97Tには、エリオ・デ・アンジェリスとアイルトン・セナがドライバーとして参加しました。セナはチームのNo.2ドライバーとして加入しましたが、その速さはチーム内でも群を抜いており、特に第2戦のポルトガルGPではポールポジションを獲得する快挙を成し遂げました。また、このレースでセナは初優勝とファステストラップを記録し、ハットトリックも達成しました。

主要スペック

• - シャーシ名: 97T
• - シャーシ構造: カーボンファイバー製モノコック
• - サスペンション: プルロッド式ダブルウィッシュボーン
• - 全長: 4,216mm
• - 全幅: 2,146mm
• - 全高: 1,003mm
• - ホイールベース: 2,718mm
• - 前トレッド: 1,816mm
• - 後トレッド: 1,612mm
• - ホイール: スピードライン
• - タイヤ: グッドイヤー
• - ダンパー: コニ
• - ギヤボックス: ヒューランドFGB（ケーシングはロータス）5速マニュアル

エンジンスペック

• - エンジン名: ルノーEF4, EF15
• - 気筒数・角度: V型6気筒ターボ（90度）
• - 排気量: 1,492cc
• - ボア: 86mm（EF15:80.1mm）
• - ストローク: 42.8mm（EF15:49.4mm）
• - スパークプラグ: チャンピオン
• - 燃料・潤滑油: エルフ
• - 最高出力: 770~1000ps

シーズン成績

1985年のシーズンでは、ロータス・97Tが年間3勝を挙げ、8回のポールポジションを獲得しました。コンストラクターズランキングでは3位、ドライバーズランキングではセナが4位に、デ・アンジェリスが5位にそれぞれランクインしました。セナは2勝と7回のポールポジション、デ・アンジェリスは1勝と1回のポールポジションを記録しました。

関連情報

また、ロータス・97Tは人気ゲーム「グランツーリスモ6」にも収録され、アイルトン・セナの没後20周年を記念して2014年にアップデートされました。プレイヤーはこの名車をドライブすることができ、購入も可能になっています。

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