ローディアン

ローディアンについて

ローディアン（英: Roadian）は、国際層序委員会によって定義された地質学用語であり、中期ペルム紀を三分した前期の一部を指します。この時代は約2億7295万年前から2億6880万年前にかけて存在し、その位置付けは地球の地質学的歴史において非常に重要です。特にローディアンは、ペルム紀の初期段階の特徴を示しており、各地での地層の研究は、地質学的な理解を深める手助けとなります。

層序の確立と歴史

ローディアン階は1968年に正式に設けられました。その設立に至る過程では、アメリカ南東部での地質調査が主要な役割を果たしました。具体的には、当時のペルム紀の地層区分として「ウォーディアン」と「キャピタニアン」という二つの階層がありましたが、これらの階層の間にさらなる分割が必要であるとの結論が下されました。その結果、ローディアン階が定義され、テキサス州ブリュースター郡のロード・キャニオン部層に由来して名付けられました。

2001年には、この階層が国際層序委員会の正式な時代区分に組み込まれ、以後、世界的に認識されるようになっています。これにより、ローディアン階は国際的な地質学研究においても使用されることとなりました。

生物多様性と絶滅

ローディアンとその前後の時代で見られる重要な生物現象の一つが、オルソン絶滅事変です。この大規模な絶滅は、陸上の脊椎動物がほぼ全て姿を消す結果をもたらしました。この事変は前期グアダルピアン世に属し、ローディアンとウォーディアンの間に位置します。

日本におけるローディアン

日本国内においても、ローディアンに関する重要な地層が存在します。特に三重県志摩半島の宮成層群からは、放散虫の一種であるParafusulina kaerimizensisが発見されており、これがローディアンから前期ウォーディアンにかけて存在したことを示す証拠となっています。このような化石の発見により、宮成層群は前期ペルム紀末から前期ウォーディアンに相当するとされています。

また、宮城県気仙沼市の岩井崎石灰岩下部からも、ローディアンに関連する大型フズリナMonodiexodina matsubaishiが発見されています。この地層のユニット3およびユニット4は、ローディアンから前期ウォーディアンへと位置付けられると考えられています。さらに兵庫県篠山地域の藤岡奥セクションでは、化石層序に基づき、ローディアンの時期に相当する化石の発見が報告されています。

まとめ

ローディアン階は、中期ペルム紀の理解を深めるうえで欠かせない地質学的なカテゴリーです。この時代の地層や生物多様性に関する研究は、地球の過去の環境や生態系に対する洞察を与えており、今後のさらなる研究を通じて、新しい発見が期待されます。

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