岩井崎

概要

岩井崎は、宮城県気仙沼市の中心部から南へ約10kmに位置する、気仙沼湾の入口に突き出した岬です。太平洋に面し、黒松が生い茂るこの場所は、かつて三陸復興国立公園の最南端でしたが、2015年に南三陸金華山国定公園に編入されました。岬の先端には岩井崎灯台が立ち、その先には波の浸食によって形作られた石灰岩の奇岩が約500mに渡って続いています。北側には大島龍舞崎、南側には牡鹿半島と金華山を望むことができ、風光明媚な景色が広がります。

岩井崎の名物である「吹き潮」は、凪の日には見られませんが、うねりの高い日には10m以上も吹き上がる迫力ある光景を見ることができます。また、岩井崎の沖には戸倉磯、白大丸、黒大丸などの岩礁が点在し、沿岸から約2kmにわたって岩礁が多いため、かつては座礁しやすい場所として「地獄崎」と呼ばれていました。1723年、第五代仙台藩主の伊達吉村公がこの地を訪れた際、地獄崎という名前が縁起が悪いとして「祝崎」と改名し、後に「岩井崎」と記されるようになりました。

地質

岩井崎は、古生代ペルム紀（約2億8千万年前から2億5千万年前）に形成された石灰岩地帯であり、長い年月をかけて波や雨水によって浸食された独特の景観が特徴です。岬の一部には、地殻変動の熱によって大理石に変質した場所があり、その大理石地帯ではペルム紀のフズリナ、四射サンゴ、ウミユリ、ウミユリの幼生ドリオラリアなどの化石を観察することができます。これらの化石は、公園内での採取は禁止されていますが、観察や撮影は自由に行うことができます。

周辺

岩井崎灯台: 1929年に初点灯し、1966年に改築されました。
秀の山銅像: 江戸時代に活躍した気仙沼出身の横綱、第9代秀の山雷五郎の銅像です。東日本大震災で台座部分が破損しましたが、現在は修復されています。
龍の松: 東日本大震災の津波にも耐え残った松で、龍が天に昇るような形に見えることから、この名前で呼ばれています。秀の山銅像の近くに位置しています。
お伊勢浜海水浴場: 白砂青松が美しい海水浴場です。夏には多くの海水浴客で賑わいます。

交通アクセス

自動車: 三陸沿岸道路 岩井崎ICから約15分、または国道45号から岩井崎入口ゲートを入り、海方面へ約5分。
公共交通機関: JR気仙沼線BRT 陸前階上駅から徒歩約30分、または自転車で約10分。

脚注

岩井崎の吹き潮は、気象条件によって見られない場合があります。
岩井崎周辺の岩場は滑りやすいため、足元に注意が必要です。

関連項目

潮吹き穴
お伊勢浜海水浴場

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