ペルム紀

ペルム紀について

ペルム紀（Permian period）は、地質学における古生代の最後を飾る時代で、約2億9900万年前から約2億5190万年前までの期間に該当します。この時代は、後期（ローピンジアン）、中期（グアダルピアン）、前期（シスウラリアン）の3つの時期に細分化されています。名前の由来はロシアのペルミ市にあり、かつてはドイツの二畳紀と呼ばれていました。

生物の多様性

ペルム紀には多種多様な生物が栄えました。特に注目されるのは、植物、巨大な両生類、爬虫類です。恐竜や鳥類、そして現代の爬虫類の祖先となる双弓類、さらに哺乳類の先祖にあたる単弓類（哺乳類型爬虫類）もこの時期に繁栄しました。陸上は豊かな生態系を形成し、高度に進化した昆虫も現れました。ペルム紀の遺跡には、軟体動物や棘皮動物、腕足動物の化石が見つかり、三葉虫も豊富に存在していました。

植物では、シダ植物が繁栄したほか、イチョウ類やソテツ類のような裸子植物も成長しました。さらに、既に節足動物との間に密接な相互作用が存在していました。特に注目すべきは、微生物の研究が進み、約2億5000万年前の岩塩層から古細菌や真正細菌の培養が成功したことです。

大陸の形成

ペルム紀の初めには、ユーラメリカ大陸と南から北上してきたゴンドワナ大陸が衝突し、すべての陸地が集まりパンゲア大陸が形成されました。この巨大な大陸は、赤道を挟んで三日月状の形をしており、周囲はパンサラッサという大洋に囲まれていました。大陸の東部には古テチス海が存在し、複数の小さな島々や大陸が点在していました。

気候の変化

ペルム紀の初期には、ゴンドワナ大陸の位置が南極地域にあり、氷床が形成されていたため、寒冷な気候となっていました。しかし、ゴンドワナ大陸の北上に伴い、氷床は解け始め、気温が上昇しました。特に末期には、地球の平均気温が23℃に達し、過去6億年で最も高い気温となっていました。この時期、パンゲアの内陸部では砂漠化が進行しました。

大量絶滅の時代

ペルム紀の終わりに、約2億5100万年前のP-T境界で、地球史上最大規模の大量絶滅が発生しました。この時、海洋生物の96%、全生物種の90%から95%が絶滅したとされています。絶滅の原因については、氷河期の影響や隕石衝突、パンゲアの形成、海退など、さまざまな仮説が存在しますが、明確な証拠はまだ見つかっていません。寒冷化や毒素の広がりなど、複合的な要因が関与している可能性が指摘されています。

ペルム紀は、生物の進化と地球環境の変化において重要な時代であり、その影響は現代に生きる生物たちにも影響を及ぼしています。

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