ロードショー (雑誌)

映画雑誌『ロードショー』の概要

『ロードショー』は、日本の映画雑誌で、1972年3月21日に集英社から創刊されました。当初の映画雑誌としては「キネマ旬報」や「月刊近代映画」がありましたが、これらが主に邦画や外国映画の紹介と評論に焦点を当てていたのに対し、『ロードショー』は、以前から存在していた近代映画社の「スクリーン」と同様に、外国人スターの魅力を引き立てるグラビアを特徴とした構成がなされていました。1980年代からは、『スクリーン』に比べて邦画に関するコンテンツが増加し、テレビ番組の紹介なども行われるようになりました。

雑誌には映画評論家による批評、コラム、エッセイなども掲載され、多彩な内容が取り揃えられていました。しかし、インターネットの普及に伴い、購読者は減少し、2008年に発行された2009年1月号をもって廃刊となりました。最盛期には約35万部の売上を記録したものの、最終的には約5万部にまで減少していました。

2022年3月31日、大手出版社の集英社がスマートフォン向けWEBニュースサイト「集英社オンライン」を開設し、その中で『ロードショー』が14年ぶりに復活しました。この復活は、映画ファンにとって大きな喜びとなりました。

淀川長治賞について

『ロードショー』は、1992年に映画評論家・淀川長治の功績を称えて淀川長治賞を設立しました。この賞は、映画に携わる人物や団体を対象にし、優れた業績を表彰する目的で2007年まで続けられました。選考委員長は品田雄吉が務めましたが、雑誌の休刊に伴いその活動は一時中断されました。その後、外国映画配給会社による団体である「一般社団法人外国映画輸入配給協会」がこの事業を引き継ぎ、再び賞を授与することとなり、2024年には改めて表彰が行われる予定です。この賞は、外国映画文化や芸術の振興に貢献した人物を評価する意義を持っています。

受賞者の一覧

淀川長治賞の受賞者には、映画界で名の知られた多くの人物が名を連ねています。1992年には字幕翻訳者の戸田奈津子、1993年には映画評論家の筈見有弘と渡辺祥子が受賞しました。1990年代後半から2000年代初頭には、映画監督の宮崎駿や大島渚、俳優のジャッキー・チェン、渡辺謙なども受賞しています。再開された2024年にはLiLiCoが受賞予定です。

関連項目と文化的影響

『ロードショー』は、映画関連の情報を多角的に提供し、日本の映画文化に大きな影響を与えました。また、ライバル誌である『SCREEN』や映画番組「ゴールデン洋画劇場」とも関わりがあり、昔のラジオ番組「欽ドン!」との関連もあります。このように、『ロードショー』は日本の映画界において、文化的な重要性を持つ存在であり続けています。

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