ローバー・400

ローバー400（Rover 400）

ローバー400は、1990年から1999年の間にローバー・グループによって製造された英国の乗用車です。このモデルは、日本の本田技研工業との共同開発によって誕生し、特にシャシー及びその他の部品は、ホンダ・コンチェルトおよび欧州向けシビックと密接に関連しています。

初代 XWD型（1989-1995年）

1989年に登場した初代ローバー400は、本田技研工業と協力して開発されました。基礎シャシーはホンダ・シビックの流用で、ローバー独自のストラット形式のサスペンションを採用していました。エンジンはホンダ製のSOHCとDOHCの1.6リッタータイプ、ローバー製の1.4リッターKシリーズおよびターボエンジンの20T4Gから選べました。

日本市場では、1993年からローバージャパンが「416SLi」モデルを導入し、同時にステーションワゴン版の「416SLi Tourer」を展開。これらはホンダのエンジンを搭載しており、ターボモデルやローバー独自のエンジンを搭載したグレードは提供されていませんでした。興味深いことに、日本ではこの車両は3ナンバー扱いでしたが、実際のサイズは小型乗用車の5ナンバーに近いものでした。

2代目 RTD型（1995-1999年）

1995年にはフルモデルチェンジが行われ、2代目ローバー400が誕生しました。このモデルは初代と同じくホンダとの共同開発に基づいていましたが、実際の発売時には提携が終了していました。最初は5ドアハッチバックとしてのみ展開されましたが、1996年には後部を大幅にデザイン変更した「400サルーン」が追加され、こちらもローバージャパンによって輸入されました。

さらに、ステーションワゴン版の「416SLi Tourer」はホンダ製エンジンに変更され、ローバーK16エンジンとZF製CVTが搭載されました。このモデルは独立したローバーステーションワゴンとして1999年まで製造され続けました。主なメカニズムは当時の欧州向けシビックと共通している部分が多いのですが、ローバー特有のチューニングが施されていたため、異なる走行性能を提供していました。

特に、NASAによるドライバーコンフォートレベルテストでは1位を獲得し、優れた快適性を示しています。また、ローバー400シリーズは木製ウォールナットパネルやレザーシートといった高級感あふれる内装で、輸入車としては比較的手頃な価格で提供されました。エンジンのオプションには、ホンダ製ZC型SOHC 1.6Lとローバー製のDOHCエンジンが揃い、特にエンジン性能に関しては非常に選択肢が豊富でした。日本市場においては、1996年からサルーンタイプの「416SLi」や「416Si」が導入され、1998年には限定車「コンフォートパッケージ」が登場しましたが、ハッチバック版やローバー製エンジンを搭載しているモデルは輸入されていませんでした。

ローバー400は、その独自のスタイルとホンダとの提携による信頼性から、多くの車愛好者に愛され続けているモデルです。

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