ローマ＝ジャルディネッティ線

ローマ＝ジャルディネッティ線は、イタリアの首都ローマを走る都市鉄道の一つで、ATAC（ローマの公共交通企業）によって運営されています。この路線は、ローマ市中心部にあるローマ・テルミニ駅に隣接するローマ・ラツィアリ駅から、ローマの東南東約10kmに位置するジャルディネッティ地区を結んでいます。

歴史

この路線の歴史は、かつてのローマ＝フィウッジ鉄道に遡ります。ローマ＝フィウッジ鉄道は、ローマとフィウッジを結ぶ全長78.1kmの路線として、1907年に認可を受け、1913年に建設が開始されました。1916年6月12日には、ローマからサン・チェザーレオを経由してジェナッツァーノまでの47.5kmが開業しました。この路線は、軌間950mmの軽便鉄道で、直流850Vで電化されていました。起点のローマ・テルミニ駅は、エスクイリーノの丘側に隣接して建設され、開業当初は1日4往復の運行で、1等車と3等車が連結されていました。

1917年7月14日には、路線がフィウッジまで延伸され、全長78.1kmの路線が完成しました。この時、ローマからフィウッジまでの所要時間は約2時間45分で、30分間隔で運行されていました。同時に、フィウッジから33km離れたフロジノーネまでの支線も開通しています。

しかし、路線の歴史の中で、一部区間は廃止されてきました。1950年にはローマ・テルミニ駅とローマ・ラツィアリ駅間の短い区間が廃止され、1982年にはジェナッツァーノとフィウッジ間、1983年にはパンターノとジェナッツァーノ間が廃止されました。さらに2008年にはジャルディネッティとパンターノ間の区間が廃止され、現在の路線となっています。

鉄道博物館

ローマ＝フィウッジ鉄道の歴史を伝える場所として、コロンナ鉄道博物館があります。コロンナ駅は1916年6月12日に開業し、1984年2月に廃止されましたが、2008年に駅舎と一部の軌道が博物館として整備・公開されました。博物館内には、約500mの軌道が保存され、かつて使用されていた鉄道車両が展示されています。ここでは、ローマ＝フィウッジ鉄道の歴史を肌で感じることができます。

路線

現在のローマ＝ジャルディネッティ線の路線は、ローマ・ラツィアリ駅から始まります。ローマ・ラツィアリ駅を出発した列車は、ジョヴァンニ・ジョリッティ通りの路側にある専用軌道を走り、ポルタ・マッジョーレ停留所へと向かいます。ポルタ・マッジョーレでは、古代ローマ時代に造られたアウレリアヌス城壁の門で、ATACのトラム路線と平面交差します。その後、路線はカッシリナ街道（国道6号線）の中央分離帯の専用軌道に入り、終点のジャルディネッティ駅に到着します。

乗り換え

他路線への乗り換えも便利です。ローマ・ラツィアリ駅では、イタリア鉄道およびローマ地下鉄に乗り換えることができます。また、ポルタ・マッジョーレ停留所では、平面交差するATACのトラム各線に乗り換えることが可能です。これにより、ローマ市内各地へのアクセスがスムーズに行えます。

外部リンク

* Atac official website

この路線は、かつてのローマ＝フィウッジ鉄道の歴史を今に伝える重要な存在であり、ローマ市民の足として活躍しています。

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