ローラ・B02/50

ローラ・B02/50：国際F3000を駆け抜けた名車

ローラ・B02/50は、イギリスのレーシングカーコンストラクター、ローラ・カーズによって2002年に製造されたフォーミュラカーです。国際F3000選手権において、ワンメイクシャーシとして活躍したことで知られています。その洗練された設計と高い性能は、多くのドライバーから高い評価を受けました。

国際F3000選手権での活躍

ローラ・B02/50は、2002年から2004年までの3シーズン、国際F3000選手権を舞台にその実力を発揮しました。ローラ・B99/50|ローラ・B99_50の後継機として開発されたこのマシンは、前モデルの長所を継承しつつ、更なる性能向上を追求。多くのドライバーがその優れたハンドリングと安定性、そして強力なパワーを高く評価しました。2004年シーズンをもって国際F3000選手権は終了し、翌年からGP2シリーズへと移行したため、B02/50は国際F3000の歴史の最後の章を飾る車となりました。

活躍の場を広げる

国際F3000選手権終了後も、ローラ・B02/50の活躍は終わらなかった。2006年から2008年にかけてはユーロ3000選手権でその姿を見せ、B99/50と併用されながら、多くのレースを戦いました。さらに、2005年と2006年には3000Proシリーズにも参戦し、その高い信頼性とパフォーマンスを証明しました。これらの選手権での活躍は、B02/50の卓越した性能と耐久性を改めて示すものとなりました。

技術的な詳細

ローラ・B02/50の優れた性能は、その高度な技術力によって支えられていました。

シャーシ: カーボンファイバー製のモノコック構造は、軽量性と高い剛性を両立。これは、高速コーナーでの安定性と優れたハンドリングに大きく貢献していました。

エンジン: 心臓部は、ザイテック・エンジニアリング製の2,997cc V型8気筒自然吸気エンジンです。最大出力470bhpを発生するこのパワフルなエンジンは、優れた加速性能と最高速度を実現しました。ザイテック製のエンジンマネジメントシステムとインジェクションシステムも相まって、最高レベルの性能を引き出していました。また、NGKスパークプラグの使用も、信頼性と性能に貢献していました。主なエンジン仕様は以下の通りです。

構成：90°V8
排気量：2,997 cc
バルブ：32個
エンジンマネジメント：ザイテック
インジェクション：ザイテック
スパークプラグ：NGK
最大駆動トルク：6,900 rpm（380 N・m）
最大出力：470 bhp

サスペンションとギアボックス: 前後サスペンションには、プッシュロッド式のダブルウィッシュボーンを採用。上下Aアームによる精緻なサスペンションジオメトリは、あらゆる路面状況で優れたグリップと操縦安定性を提供しました。トランスミッションは、ローラ/ヒューランド製の6速シーケンシャルギアボックスが採用され、迅速かつ正確なシフトチェンジを可能としていました。

その他: ホイールベースは3,000mm、フロント幅1,476mm、リア幅1,411mm、総重量は545kgと、非常にバランスの取れた設計となっています。

ローラ・B05/52への系譜

ローラ・B02/50は、後にA1グランプリで使用されたローラ・B05/52へと進化を遂げました。B02/50で培われた技術や経験は、その後のローラ・カーズのフォーミュラカー開発に大きな影響を与え、モータースポーツの歴史に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。2010年以降は新しいシャーシに置き換えられ、その活躍は幕を閉じましたが、国際F3000時代を彩った名車として、そしてモータースポーツ史における重要な一台として、その名は長く記憶されることでしょう。

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