ローラ・B06/51

ローラB06/51について

ローラB06/51（Lola B06/51）は、フォーミュラ・ニッポン用として2006年から2008年まで使用されたフォーミュラカーであり、独自の性能を持つマシンです。この車両は、日本レースプロモーションによって「FN06」という名称で呼ばれています。

開発の背景

B06/51の開発において特に重要視されたのは、ウイングカー（グランド・エフェクト・カー）への移行です。これまではダウンフォースを抑えるフラットボトムの規定に基づいて設計されてきましたが、このモデルではサイドポッドの下部後端形状とディフューザー周辺にベンチュリを設けることで、約10%のダウンフォースの増大を実現しました。

2007年には、さらにバージボードとサイドポッド側面にスカートを追加しました。この改良により、リアウィングの第三エレメントを廃止し、ドラッグを低減しつつ安定したダウンフォースを発生させることが可能になりました。結果として、操縦性が大幅に向上したため、ドライバーはより大胆なバトルを展開できるようになりました。

しかし、ダウンフォースの増加に伴い、フォーミュラ・ニッポンではパワーステアリングが禁止されていたため、多くのドライバーが「ステアリングが重すぎる」との不満を述べるようになりました。このため、もともとは2009年採用予定だったパドルシフト（セミオートマチックトランスミッション）が2008年から導入され、ドライバーの負担軽減が図られました。

シャシーの制限

この車両のシャシーに関する改良は、走行性能に直接影響する部分が禁止されており、リヤビューミラー、ラジエターインテーク、ブレーキ冷却ダクトなど、限られた範囲にとどまっています。そのため、チーム間の性能差が少なく、戦いは選手やチームのセッティングと技術に依存しています。この結果、レースは非常に接戦となり、観客を楽しませることができました。

スペック

シャーシ

• - 全長：4,667.5 mm
• - 全幅：1,879 mm
• - ホイールベース：3,000 mm
• - 前トレッド：1,503 mm
• - 後トレッド：1,389 mm
• - クラッチ：AP 4プレート（カーボンまたはメタル、チームで異なる）
• - ブレーキキャリパー：ブレンボ 4ポット
• - ブレーキディスク・パッド：カーボンメタル・スチール（ベンチレーテッドタイプ）
• - ホイール：BBSまたはRAYS（チームによって異なる）
• - タイヤ：ブリヂストン
• - 燃料タンク：135L（ATL製）
• - ギアボックス：ローラLT2A（6速シーケンシャル、2008年からパドルシフト採用）

エンジン

• - 供給メーカー：ホンダ（HF386E）およびトヨタ（RV8J）
• - 気筒数・角度：V型8気筒・90度
• - 排気量：3,000cc
• - 最高回転数：10,300rpm（レギュレーションによる）
• - 最大馬力：約550PS
• - 重量：127kg
• - スパークプラグ：チームによって異なる
• - 燃料：無鉛ハイオクガソリン（サーキットによって異なる）
• - 潤滑油：チームによって異なる

外部リンクとして、公式のローラ・カーズサイトとフォーミュラ・ニッポンのサイトも参考にすることができます。B06/51は、フォーミュラカーの設計とレース技術が融合した魅力的なモデルであり、今なお多くのファンに支持されています。

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