ロールス・ロイス/MAN トゥルボ RB193

ロールス・ロイス/MAN・トゥルボ RB193

ロールス・ロイス/MAN・トゥルボ RB193は、1960年代の中頃にロールス・ロイス・リミテッドとMAN・トゥルボ社によって設計・製造された推力偏向式ターボファンエンジンです。このエンジンは、主にVFW VAK 191Bという垂直離着陸機に搭載され、いくつかの飛行テストが行われましたが、VAK 191Bの開発が中止されたため、RB193は量産に至ることはありませんでした。

設計と開発

RB193は、VFW VAK 191B計画の要件に応える形で設計され、1965年12月にドイツ連邦国防省との契約に基づき、その設計作業が始まりました。また、このエンジンの部品製作においては、ブリストル・シドレー社が二次契約者として関与しました。

このエンジンは、初期のロールス・ロイス ペガサスエンジンと類似の設計概念を持つものの、より洗練された技術が取り入れられています。内部流路はスペイエンジンと同様の構造を有し、高温・低温を組み合わせた回転推力ノズルが特徴です。

RB193は1966年からVFW VAK 191Bでの飛行テストが開始され、1971年10月にはブレーメンにて初めての自由ホバリング飛行が実施されました。さらに、1972年10月にはManchingでの空中停止からの前進飛行にも成功しました。最終的に、1975年までのテスト計画ではRB193は12時間の飛行時間を記録し、合計91回の飛行を達成しました。

搭載機

RB193は、主にVFW VAK 191Bに搭載されました。現在、このエンジンのバージョンであるRB193-12がミュンヘンのドイツ博物館にて展示されており、その際には外板が取り外され、内部の回転ノズルや機構の詳細を見ることができます。

要目

ここではRB193の主な仕様をまとめます。

• - タイプ：高圧縮ターボファンエンジン
• - 全長：未記載
• - 直径：未記載
• - 乾燥重量：790 kg (1,742 lb)
• - 圧縮機：軸流式3段ファン、低圧2段、反転する高圧6段
• - タービン：低圧3段、空冷式高圧1段
• - 最大推力：4,610 kg (10,163 lb)

このように、ロールス・ロイス/MAN・トゥルボ RB193は、その技術力や設計思想において重要な役割を果たしましたが、量産されることはなく、貴重な試作機の一部として歴史に名を刻んでいます。今後も、航空エンジン技術の進化を支える一翼を担ったこのエンジンに注目が集まることでしょう。

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