ローレンス・ジューバー

ローレンス・ジューバー：ギターの巨匠

ローレンス・ジューバー（Laurence Juber, 1952年11月12日 - ）は、イギリス出身でカリフォルニア在住のギタリストです。ウイングスのリードギタリストとしての活動を経て、指弾き奏法のソロギタリストとして独自の地位を確立しました。彼の音楽は、その卓越した技術と創造性で、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

初期の音楽への目覚め

ジューバーがギターを始めたきっかけは、ビートルズの「抱きしめたい」でした。安価なアコースティックギターを手にした彼は、すぐに楽譜の読み方を習得し、独自の記譜法まで編み出しました。13歳からギター演奏で収入を得始め、15歳でクラシックギターを学び始めます。1960年代後半の音楽に魅了された彼は、ロンドンの音楽スタジオでセッションギタリストを目指すようになります。ロンドン大学（ゴールドスミス校）で音楽の学位を取得し、リュートの演奏も学びました。卒業後すぐに、プロデューサーのジョージ・マーティンとの仕事で、クレオ・レーンのアルバム制作に関わり、セッションギタリストとしてのキャリアをスタートさせました。

ウイングスでの活動

セッションギタリストとして活動していたジューバーは、1979年にポール・マッカートニー率いるウイングスに加入します。『バック・トゥ・ジ・エッグ』のレコーディングとツアーに参加し、その才能を発揮しました。同アルバムに収録された「ロケストラのテーマ」では、グラミー賞最優秀ロック・インストゥルメンタル賞を受賞しました。しかし、アルバムのジャケットでは彼の名前が「ローレンス・テューバー」と誤って表記されるというエピソードも残っています。ウイングス在籍中には、初のソロアルバム『標準時間（Standard Time）』を発表。「メイジー（Maisie）」には、ウイングスのメンバーであるポール・マッカートニーとデニー・レインが参加しています。

ソロキャリアと指弾き奏法への探求

ウイングス解散後、ジューバーはアメリカに移住し、ニューヨークで妻ホープと出会い、彼女の故郷であるカリフォルニアに移り住みました。その後、セッションギタリストとしての活動を再開し、『ハッピーデイズ』や『ファミリータイズ』など、数多くのテレビ番組でギターを演奏しました。映画音楽にも携わり、1988年の『ベリー・ブレイディー・クリスマス』では音楽監督を務めました。また、映画『007 私を愛したスパイ』では、「ジェームズ・ボンドのテーマ」を演奏しています。

1990年には、2枚目のソロアルバム『単独飛行（Solo Flight）』を発表。以降、ギターの変則チューニングの研究を始めました。2000年には、ソロアルバム『LJによるビートルズ（LJ plays the Beatles）』と『全集（Collection）』を、2003年にはアルバム『ギタリスト（Guitarist）』を発表し、高い評価を得ました。フィンガースタイル・ギター誌の読者投票で「年間最高ギタリスト」に選ばれ、アコースティック・ギター誌では史上最高のアコースティックギタリストの一人として評価されています。ヘンリー・マンシーニの楽曲をギター独奏にアレンジしたアルバム『ヘンリー・マンシーニ：ピンク・ギター（Henry Mancini: Pink Guitar）』では、グラミー賞最優秀ポップ・インストゥルメンタル賞を受賞しました。

ジューバーは、自身の音楽活動に加えて、アル・スチュアートのアルバム制作にも携わり、共同で音楽を作り上げています。

ディスコグラフィー（一部）

標準時間（Standard Time） (1982)
単独飛行（Solo Flight） (1990)
LJによるビートルズ（LJ Plays the Beatles） (2000)
ギタリスト（Guitarist） (2003)
* ヘンリー・マンシーニ：ピンク・ギター（Henry Mancini: Pink Guitar） (2004)

ローレンス・ジューバーは、その卓越したギターテクニックと音楽性で、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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