ワイフビーター

ワイフビーターのプロレスラーとしての歴史

ワイフビーター（本名：マット・プリンス）は、1990年代後半から2000年代にかけてアメリカ合衆国で活躍した男性プロレスラーである。彼のキャリアは主にコンバット・ゾーン・レスリング（CZW）や大日本プロレスでの活動に象徴される。身長約190cm、体重およそ110kgという体格で、テキサス州ダラス出身の元海兵隊員というバックグラウンドを持つ。

プロレスデビューと初期の成功

ワイフビーターは1998年にプロレスラーとしてデビューし、その後CZWを拠点に活動を展開した。彼の実力はすぐに認められ、1999年9月18日、2001年4月15日、2001年6月14日の3度にわたってCZWのヘビー級王座を獲得。また、2000年にはジャスティス・ペインとタッグを組んでタッグ王座を手に入れるほか、アイアンマン王座も4度獲得するなど、数々のタイトルを手にした。

CZWと大日本プロレスでの抗争

ワイフビーターがCZW軍の一員として活動していた際、大日本プロレスとの抗争にも関与していた。2000年にはニュージャージー州でジャスティス・ペインと共にチームを組み、ジョン・ザンディグおよびニック・ゲージ組から大日本プロレスのタッグ王座を奪取するなど、多くの対戦相手と激闘を繰り広げた。また、2001年に博多スターレーン大会で起こった事故では、彼が繰り出したチョークスラムによって対戦相手が重傷を負うという波乱もあった。

「ビッグ・ディールズ」との関係

2001年ごろには日本のプロレスラー、葛西純を自身の自宅に下宿させ、共に活動するなど国際的な交流も見せた。また、同じ時期にCZWで『ビッグ・ディールズ（Big Dealz）』というユニットを結成し、ジョン・ザンディグやニック・モンド、トレント・アシッド、Zバールと共にタッグ、それに伴ったストーリーラインを展開してファンを魅了した。

トーナメント・オブ・デスでの栄光

ワイフビーターのキャリアにおけるハイライトは、2002年に開催されたCZWのトーナメント・オブ・デス（TOD）での優勝であった。この大会では数々の凶器を使ったデスマッチを戦い抜き、ネクロ・ブッチャーやニック・ゲージといった強力な相手を下し、決勝ではニック・モンドを撃破した。この勝利は彼のキャリアの中で特に光る瞬間とされている。

2004年にも再度TODに参戦し、さらなる歴史を刻む結果となった。その大会では使用した凶器が話題を呼び、対戦相手のネクロ・ブッチャーを火のついたテーブルに叩きつけるという衝撃的なフィニッシュで優勝した。

半引退とその後の活動

ワイフビーターは2005年から2006年にかけて音沙汰のない時期を迎えるが、2006年夏にECWアリーナで再びCZWのリングに姿を現す。ここではJCベイリーをサポートし、ダニー・ハボックとの対戦を経て、再びリングでの存在感を発揮した。

彼のプロレスキャリアの最後の輝きとなったのは2009年。ニック・ゲージやジョン・ダーマーと共にCZW殿堂入りを果たし、名選手としてその名が刻まれることとなった。ワイフビーターは、数多くの試合とともにその歴史を閉じていく。彼のプロレスキャリアは、多くのファンにとって記憶に残り続けるだろう。

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