ネクロ・ブッチャー

ネクロ・ブッチャーとは

ネクロ・ブッチャー（本名：ディラン・サマーズ）は、1973年 7月13日生まれ、アメリカ合衆国ウェストバージニア州出身のプロレスラーです。「デスマッチ・ジーザス」というニックネームで知られ、その名の通り、過激なデスマッチを得意としています。

プロレスラーとしてのキャリア

1998年1月2日にプロレスデビューを果たしました。アメリカのインディ団体を中心に活動し、特にCZW（コンバット・ゾーン・レスリング）での活躍が目立ちます。その特徴は、どんな技や凶器攻撃も受けきってしまう驚異的なタフネスと、危険なデスマッチも厭わないストロングスタイルです。有刺鉄線、画鋲、蛍光灯、炎など、あらゆる凶器を駆使した試合は、観客を熱狂させました。

2001年頃までは、黒いアイラインを入れた姿で試合を行っていました。その風貌もあいまって、一部でカルト的な人気を博しました。

2004年には、CZWの「トーナメント・オブ・デス3」で大活躍。また、2005年にはIWAミッドサウスでサモア・ジョーとの激闘を繰り広げ、その名をさらに広めました。

ROH（リング・オブ・オナー）とCZWの抗争では、CZW軍の一員としてBJウィットマーと激しい戦いを繰り広げました。

日本での活躍

2004年9月には、大日本プロレスに初参戦を果たしました。ボロボロのジーンズに長髪、ヒゲというホームレスのような風貌で、強烈な受身を連発するスタイルは、日本のファンを魅了。「アメリカのデスマッチオヤジ」として絶大な支持を得ました。

パイプ椅子で自ら底を叩き抜くパフォーマンスは定番となり、その頑丈さをアピールしました。2007年春には約1年半ぶりに大日本プロレスに再来日し、誰も真似できないような激しい試合で健在ぶりを示しました。

2008年6月には、IGF（イノキ・ゲノム・フェデレーション）札幌大会に初参戦。連敗を喫しましたが、その後もレギュラー外国人選手として継続参戦し、そのファイトマネーで家を建てたというエピソードもあります。

デスマッチトリプルクラウン

CZW、IWAミッドサウス、IWAディープサウスの3つの団体でデスマッチトーナメントを制覇するという前人未到の偉業を達成し、「デスマッチトリプルクラウンチャンピオン」と称えられました。

後楽園ホール大会では、破壊したパイプ椅子の数が他の選手よりも多く、大日本プロレスへの弁償額が莫大なものになったという逸話も残っています。

引退と復帰

2016年6月11日、PWC Super Card 2016のメインイベントでの6人タッグマッチを最後に一度は引退しました。その後はMLB球団の球場職員として働いていましたが、2019年12月には、新団体メジャー・リーガーズ・レスリングの旗揚げシリーズで、シャドウWXの対戦相手として約3年ぶりに現役復帰を果たしました。

入場テーマ曲と得意技

入場テーマ曲は、アメリカのサザンロックバンド、レーナード・スキナードの「フリー・バード」を主に使用しています。この曲は、かつてマイケル・ヘイズとテリー・ゴディのファビュラス・フリーバーズも使用していました。

得意技は、強烈なパンチ、タイガードライバー、エイジアン・スパイク（チョークスリーパー）などがあります。

獲得タイトル

数々のタイトルを獲得しており、その実績は以下の通りです。

キャピタル・オブ・テキサス・パワー・レスリングタッグ王座
チャンピオンシップ・レスリング・アソシエーションハードコア王座
コンバット・ゾーン・レスリング CZW世界タッグ王座（w / トビー・クライン）、CZWウルトラバイオレントアンダーグラウンド王座
フロンティア・レスリング・アライアンスブラスナックルズ王座
ジャガロ・チャンピオンシップ・レスリングタッグ王座（w / マッドマン・ポンド）
IWAディープサウスカーネージ・カップ
IWAミッドサウスデスマッチ王座、キング・オブ・ザ・デスマッチ（2002年）
インサーン・ハードコア・レスリングハードコア王座
インサーン・レスリング・フェデレーションヘビー級王座
ジャージー・オール・プロ・レスリングタッグ王座（w / ブロディ・リー）
NWAサウスウエストテキサスハードコア王座
テキサス・オール・スター・レスリングブラスナックル王座、ヘビー級王座
テキサス・チャンピオンシップ・レスリングハードコア王座
ウエストサイド・エクストリーム・レスリングハードコア王座（イアン・ロッテンから奪取）
エクストリーム・インサーン・チャンピオンシップ・レスリングエクストリーム王座
FU☆CK! UNBELIEVABLE TAG TOURNAMENT優勝

その他

大日本プロレスの登坂栄児取締役が「売れっ子なので数週間スケジュールを押さえるのは困難」と発言するように、インディ団体を中心に全米を股にかけて転戦しています。また、映画「レスラー」ではネグロ・ブッチャー役（本人役）として出演しています。

大日大戦の解説を務める須山浩継から「現在はCZWのエース」と解説されることもありますが、実際にはストーリーに絡むポジションは少なく、CZWの興行も頻繁に欠場しているため、この発言は適切とは言い難いでしょう。

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