ワシリエフスキー島

ワシリエフスキー島は、ロシアのサンクトペテルブルクに位置する、フィンランド湾に面した島です。ネヴァ川の河口付近に位置し、小ネヴァ川と大ネヴァ川に挟まれた場所にあります。この島は、サンクトペテルブルク市中心部からネヴァ川の橋を渡ってアクセスできる便利な場所にあり、宮殿や政府機関など、歴史的な建造物が多く所在しています。

名称の由来

ワシリエフスキー島の名前の由来には諸説あります。一つは、かつてこの地域がスウェーデンやノルウェーの領土であった時代に、その名前がロシア語風に変化したという説です。もう一つは、ピョートル大帝の部下であったワシリー・コルチミンにちなむという説です。ピョートル大帝が「島に住むワシリー」に宛てた手紙が残されていることから、後者の説が有力とされており、島内にはコルチミンの像も建てられています。

地理

ワシリエフスキー島は、北緯59.94度、東経30.26度に位置し、ネヴァ川が小ネヴァ川と大ネヴァ川に分流する地点にあります。島の西側はフィンランド湾に面しており、面積は約19.3平方キロメートルです。行政的にはワシリエオストロフ区に属し、2017年の時点で約20万9千人が居住しています。島は、ネヴァ川の豊かな水流によって形成された、独特の地形を持っています。

有名な建物

ワシリエフスキー島の東端は「ストレルカ」と呼ばれる砂嘴になっており、旧サンクトペテルブルク証券取引所や2本の勝利塔が建ち、観光客に人気があります。大ネヴァ川側には、クンストカメラ博物館、ロシア帝国アカデミー、サンクトペテルブルク国立大学のメインキャンパス、十二役所、メンシコフ宮殿、アンドレフスキー大聖堂など、18世紀に建てられた歴史的な建造物が数多くあります。比較的新しいものでは、電車博物館などがあります。一方、島の西側は比較的最近開発が進んだ地域で、ソ連時代のアパートや港湾施設が立ち並び、埋め立てによって造成された土地もあります。また、バルチック造船所のような大規模な工場や、プーシキンの家など、文化的な施設も存在します。

交通アクセス

ワシリエフスキー島へは、サンクトペテルブルク地下鉄3号線のワシレオストラフスカヤ駅またはプリモルスカヤ駅で下車してアクセスできます。市中心部からは、宮殿橋やブラゴヴェシェンスキー橋を通ってネヴァ川を渡るか、ペトロパヴロフスク要塞方面からはブルジェヴォイ橋を通って小ネヴァ川を渡ることでアクセスが可能です。また、島の西部には有料道路の「西高速直径道路」が南北に走り、サンクトペテルブルク環状道路にも接続しています。これらの交通網により、島へのアクセスは非常に便利です。

ワシリエフスキー島は、歴史的な建物、文化施設、美しい景観が調和した、サンクトペテルブルクを代表する魅力的なスポットです。多様な歴史と文化が息づくこの島は、訪れる人々に深い印象を与え続けています。

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